月下の胡蝶

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10/31/2022, 1:52:43 PM

お題《理想郷》


どんなに遠くとも


いつかきっと、たどり着くだろう


あなたは自分の意思で旅立つことができるのだから


あると信じ飛び立てるあなたなら


10/30/2022, 4:03:16 AM

お題《もう一つの物語》


どうか、あなただけは生きて。


もうひとりのわたし――貴女だけは、生きて証明してみせてよ。私が幸せになれる未来を。



“あなたは幸せになれないの”

“禍月のこどもなんて気持ち悪い”

“原罪――” 




流れる血も


流れる涙も



永遠に止むことはないだろう――ずうっと続いてきた夜の痛みが、けっして消えることはないのだから。



私は……わたしに賭ける。


すべてを。







10/27/2022, 12:06:49 PM

お題《紅茶の香り》

観葉植物に囲まれたガラスドームの温室。時を多く刻んだ、少し古めかしい蜂蜜色の机に並ぶ茶器――紅茶がなみなみと注がれたティーカップの水面は、淡い翡翠色。


爽やかな香りがする。


「……なんのお茶なんですか?」


「王都エルシオンから取り寄せた茶葉と、月時雨にしか咲かない花で淹れた。効能は疲労回復、魔力回復、笑顔の花」


そう教えてくれたのは、この温室で、たくさんの植物を育ててる月読くんだ。世間を騒がせているイケメン翠緑士である。“翠緑士”とは、植物の加護を受けた者――あらゆる知識と薬茶をつくりだせる存在。


今のところ月読くんしか知らないから、希少な存在なんだろう。


温室で気を失ってたわたしを拾い、あっという間に薬茶をつくったのだから驚きだ。



「……」

「い、いただきます」


無言のまま促され一口。また一口と、結局最後まで飲んでしまった。あまりの美味しさに、少女から美しい花が夜明けにほころぶ。


「とても華やかで、あまくて、ふわふわします……!」


「顔見ればわかる」 


「……!!」




月読くんの笑顔は極上だ――。



10/26/2022, 5:14:05 PM

お題《愛言葉》


重ね合わせた嘘と嘘


沈んでゆくのふたり


甘い幻の海へ――



月に祈りながら


愛を識らず

愛に毒されながら




10/25/2022, 1:19:22 PM

お題《友達》


薄荷水が硝子のコップからこぼれた


新しいものを注げばまた、カップは満たされる



でもそうじゃない


そうじゃない、んだよね



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