椿灯夏《少しずつ削除します》

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10/26/2022, 5:14:05 PM

お題《愛言葉》


重ね合わせた嘘と嘘


沈んでゆくのふたり


甘い幻の海へ――



月に祈りながら


愛を識らず

愛に毒されながら




10/25/2022, 1:19:22 PM

お題《友達》


薄荷水が硝子のコップからこぼれた


新しいものを注げばまた、カップは満たされる



でもそうじゃない


そうじゃない、んだよね



10/23/2022, 1:36:52 PM

お題《どこまでも続く青い空》



それは忘れてしまった心の故郷。


いつでもそこはそばに在るのに、忘れてしまって帰れない。



逢いたいね。


たったひとつの故郷なのだから。

10/23/2022, 7:45:32 AM

お題《衣替え》


夏の煌めく太陽とサイダーの香りを織り込んだカーディガンもそろそろしまいだ。


男は季節を織り込んだ服を紬ぐ職人、名をトトキと言う。


来る季節のために、部屋中秋の香りでいっぱいだ。爽やかな甘さ漂うこの部屋にある夢幻に咲く金木犀の花。それからイチョウの葉に、ブドウの紅茶。


みんな助手が各地を飛び回ったりして、集めてくるのだ。



どんな素材でも縫える魔法の針とミシン。


それから助手の月魚。



どんな依頼でも叶えてみせます。


10/21/2022, 5:26:57 PM

お題《声が枯れるまで》


失うことがこわくて


君の名を呼び続けた



もうふりむいてくれない


立ち止まってもくれない――



望みなどないとわかってても


それでも、君の名を呼び続ける




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