椿灯夏《少しずつ削除します》

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10/20/2022, 11:20:23 AM

お題《始まりはいつも》



始まりはいつも雨だった。


始まりはいつも。



永遠に繰り返す言の葉と雨。


鍵の少女と妖精の少年を引き裂くのは、いつも始まり。




始まりはいつも雨だった。


始まりはいつも。




青銀の髪が、薔薇園で咲き誇る。


夜明けは近い。






10/19/2022, 2:53:23 AM

お題《秋晴れ》


爽やかな秋香る星雫の花


遠くまで伝える季節の便り

10/17/2022, 5:02:11 PM

お題《忘れたくても忘れられない》


血にまみれたその手で。


儚げに微笑み――「もういいよ。解放してあげる」


あなたは最初から最後まで最悪だったわ。

いきなり現れて、強引なくらいに迫っておいて、子供みたいに無邪気で。


――ねぇ、どうして最後はあっけなく置いていくの? 

離れていくの?



なのに、あなたは。



呪いのように記憶へ鮮明に残り続けるなんて、あんまりじゃないの。



これじゃあ、忘れたくても忘れられない……。



血の色が、血の香りが、呪いとなる。







10/16/2022, 5:21:43 PM

お題《やわらかな光》


どんなに昏い水底にも月灯りはさしこむ。



わたしを迎えにくる。




いじめの沼は深く濃い。言葉の毒や暴力の傷は、わたしを鳥籠へ閉じ込めてしまう。もう二度と誰かと――希望を、持ちたくないんだ。


なのに、あなたはわたしを迎えにくる。



「学校が怖いなら、俺のとこへおいで」


「どんなに高位の者であろうと、やってることが最低なら人間として愚かだ」


「わかるよ。俺とおまえは似ているから」





――あなたを知りたくなっちゃうのは、似ているから。



――せめて。せめて、おまえだけは。


 



それぞれの痛みを照らすのは、光(自分)。









10/15/2022, 6:26:15 PM

お題《鋭い眼差し》


その瞳の中に燃える希望の炎。


決して折れることはない心は、悪夢を薙ぎ払う。


困難に打ち勝つのは想いの炎だけ。



想いは困難の夜を黎明の希望に変えて。

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