テーマ“降りやまない雨”
空は晴れる事を忘れたかのように
ずっと、雨を降らせている。
もう、何年も青空を見ていない。
人々はそんな中で、森や自然を失わないようにと
透明なドームのような空間を作り上げた。
それはもう、急ピッチで。
人の住まう場所、森、田畑
初めは、大まかな場所だけだった。
けれど、もう数年も経過すると
山や川なんかも、ドームで覆っていた。
雨に濡れることのない
けれど、青空を見る事は出来なくなってしまった世界。
大人は、うっすらと、青空の記憶があるけれど
子供は、青空を見たことない子のほうが多い。
空は永遠に雨を降らせる物なのだと信じている子も居るようだ。
蒸発をしなくなった雨をも
蒸発させるための装置まで作って
ドームの外の場所に設置をしている。
その装置が悪いのでは無いかと
声を荒らげる人たちも居るけど
もし、その装置を無くしてしまったら
この世界は、もう水に支配されてしまうだろう。
それこそ、この星は
水の惑星と言われる程
水の面積が広いのだから。
この装置を止めたとして
晴れるとは限らない。
例え、晴れたとしても
僕らはここでしか生きられない。
外が水に支配されていると言う事は
本来なら酸素を作り出すはずの植物は
外には無い。
例え晴れたとしても…
外には出られない。
生き物は、このドームに逃げ込んだその瞬間から
外では生きられなくなったのだから…。
今日も、外は雨が降りしきる。
テーマ「あの頃の私へ」
昔は、大人になったら
アニメも漫画も卒業して
見なくなると思ってたし
オタク?気持ち悪いって思ってたけど
未だに、アニメも漫画も卒業してないし
むしろあの頃よりも
アニメにも漫画にも
どっぷり浸かっているよ。
本当に沼にハマって動けないくらいに。
今ではオタクで何が悪いの?
ってくらい開き直ってるよ。
あの頃は買っていなかった
アニメのキャラクターのグッズも
集めているよ。
好きを突き詰めて
貴女が気持ち悪いと思っていた
その先を進んでいるよ。
オールジャンルでは無いけれど
自分が好きなジャンルのは
ネット漫画でまで読んでるよ。
あの当時みたいに、漫画雑誌は買わなくなっているけれどね。
その分、漫画アプリで
たくさん読んでるよ…。
ついでに、ゲームにもハマるよ。
2次元から抜け出せないよ。
どんまい。
テーマ“忘れられない、いつまでも”
昔から、苦手な人が居る。
私の事を見ると
「お前は馬鹿だ」
「泣けば済むと思っている」
「お前は迷惑しかかけない存在だ」
「お前はバカだから進学出来る訳ない」
その人に合うたび
私は萎縮する。
他の人がいる時には
そんな事は言わない。
他の人へは、腰が低い。
私だけ高圧的に接する。
私が大人になってからは
貶す事は無くなったけれど
それでも、言われた事は
忘れられない。
いつまでも心の奥に残っている。
ヘラヘラ笑いかけられても
私は怖いとしか感じない。
子どもの頃の
あの時の記憶
いつまでも
恐怖感は拭えない。
肉体的に暴力を振るわれた事はないが
心は会うたび会うたび
ズタズタにされてきた。
会わなくても良いのなら
二度と会いたくないけれど
親戚関係だから
父の弟だから、そういう訳にはいかない。
逃げたい。
テーマ“明日世界が終わるなら”
ノイズだらけのネットニュース
テレビのニュースその全てで
「明日、世界が滅亡する」
と言う。
俺は「嘘くさい」と思いつつ
テレビを消し、ネットを見る事も止めた。
配信動画を見ようと思ったけれど
その配信サイトですら
上部に赤い帯に白文字で
「世界が滅亡します」とずっと出ていた。
防災無線でも、ずっと
「地下シェルターが開放されます、早めに逃げてください」とか言っている。
地下シェルターがこの街にある事を初めて知った。
場所は分からない。
そもそも何で世界が滅亡するのかも分からない。
一瞬で死に至る病が出たのか、空から隕石が降ってくるのか、何かしら災害が起きるのか
何故、世界が滅亡する事を知っているのか。
全て謎だ。
もしかしたら、僕が知らないだけで
この街に芸能人が来ていて、その人をドッキリに、はめる為の嘘かもしれない。
だから、俺は
何もする事がなく
寝る事にした。
寝て起きたらドッキリは終わっているだろうと
そう思いながら。
……………。
そして、二度と俺は…………
テーマ“何もいらない”
「もう、愛してくれなくていい」
そう伝えられたのなら
どれだけ楽だっただろう。
誕生日プレゼントも
クリスマスプレゼントも
私以外の誰かと
私の為に選んでくれてたみたいだけど
その誰かの方が好きだった事知ってるよ。
私に、何を渡したらいいか分からないからと
わざわざ口実を作って
プレゼント選びという名のデート
してくれてた事知ってるよ。
私と行ったことも無いオシャレなカフェで
私に向けてくれたことのない笑顔で
二人で笑いあっていたみたいだね。
ごめんね。
健康じゃなくて。
私、もうすぐ、逝くから
その人と仲良くね。
もう、何もいらないから。
貴方の記憶からも消えてあげるから。