テーマ“溢れる気持ち”
好きだった。
好きでした。
好きすぎて壊れてしまうほど好きだったのに。
好きが溢れてしまった瞬間
零れ落ちた瞬間
とめど無く流れてしまった瞬間。
ふと。
どうでも良くなった。
好きな想いがでは無く、相手にどう思われていようが、好きでいて良かったんだと。
永遠に片想いだとしても、想いが伝わらなくても、手を掴んで微笑んでもらえなくても。
好きだよ。
好きです。
だけどもう、願わない。
好きだよ、今でも。
だけれど、好きだったと
過去形にしてしまおう。貴方だけには。
私の中ではまだ、過去形には出来ないけれど。
テーマ“勿忘草(わすれなぐさ)”
勿忘草の花言葉は
「私を忘れないで」と言うらしい。
由来は、何やかんやあって、まあ、そうなったらしいけれど(雑)
随分、重いなと思ってしまうのです。
人の思いは、とても重い。
むしろ私は、忘れて欲しい…
私という存在を。
テーマ“ブランコ”
「ブランコ、押してあげるね」
そう言った友人は、物凄い力で背中を押してきた。
結構な高さまで行ったから
「もう、良いよ!」
そう言って、後ろを振り返ったら
彼女は手を振って、笑顔で遠ざかっていく。
当然だけど地面に足が届かない。
勢いは、まだ止まりそうにない。
友人が離れていくのが怖くて
思わず手を離した……。
その後、何とか命を取り留めた私。
殆どの記憶は失われ、体も自由に動かなくなったけれど
最後にあの子が見せた、なんとも形容し難い笑顔は
ずっと消えない。
それだけが残っている。
自分の名前も家族も何もかも覚えていないのに。
あの、私を見捨てて去っていったのに、物凄く綺麗な笑顔をしていた、あの楽しそうな笑顔だけはずっと…。
テーマ“安心と不安”
安心と不安は隣り合わせ。
違うようで同じ。
安心を感じないと
不安も感じない。
100%安心な物は存在しない。
100%不安な物も……多分存在しない。
とある人が言った
「私共の作る商品は、すべて安心安全です」
と。
けれど、その安心安全の商品に
不具合が発生したら?
購入者「すみません、其方で購入した商品が発火したのですが」
問い合わせ先「申し訳ありません。其方の商品をどの様に使用致しましたか?」
購入者「商品の説明通りに使用しただけですが」
問い合わせ先「申し訳ありません、担当の者に代わりますので、少々お待ち下さい…」
担当の者「代わりました、担当のスギムラです」
購入者「其方で購入した商品を使用した所、発火したのですが」
担当の者「その使用方法は、本当に正しい使い方をしましたか?」
購入者「勿論です!説明された通りに使いました。それ以外の用途には使っていません。」
担当の者「それは、申し訳ありません。我社は安心安全をモットーに制作販売をしているので、お客様が間違った使い方をなさっていないとおっしゃられても、コチラではどうしようも無いので…」
購入者「返品したいのですが」
担当の者「いつ購入されましたか?」
購入者「1週間ほど前です」
担当の者「使用されましたよね?」
購入者「そうですね。だから発火した訳ですから」
担当の者「申し訳ありません、購入から3日以内、未使用の場合のみ返品を承っておりますので、其方で破棄をお願いします。」
購入者「返金は」
担当の者「申し訳ありません、返金も、3日以内未使用の商品と引き換えにさせていただいているので…」
購入者「詐欺として訴えてやる」
担当の者「失礼します」
慌ただしく電話が切れる。
そして、その日の内に、購入者は
詐欺として警察に届け出をしたけれど
その会社もろとも、消えていた。
いや、元々無かったのかもしれない。
100%安心な物は無い。
詐欺には気をつけて。
(この話は、フィクションです。)
テーマ“逆光”
写真を撮るのが苦手な私は
いつも逆光だった。
それも思い出と笑っていたのに
いつの間にか
そんな逆光も綺麗に加工してくれるらしい。
だが、それは別に
撮る側の人の腕が良くなった訳ではなく
カメラアプリやらデジタルカメラの進歩(進化)ってだけで
何かなぁ………と思う。