蒼月の茜雲

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1/25/2023, 3:22:42 PM

テーマ“安心と不安”

安心と不安は隣り合わせ。
違うようで同じ。
安心を感じないと
不安も感じない。

100%安心な物は存在しない。
100%不安な物も……多分存在しない。

とある人が言った
「私共の作る商品は、すべて安心安全です」
と。
けれど、その安心安全の商品に
不具合が発生したら?
購入者「すみません、其方で購入した商品が発火したのですが」
問い合わせ先「申し訳ありません。其方の商品をどの様に使用致しましたか?」
購入者「商品の説明通りに使用しただけですが」
問い合わせ先「申し訳ありません、担当の者に代わりますので、少々お待ち下さい…」

担当の者「代わりました、担当のスギムラです」
購入者「其方で購入した商品を使用した所、発火したのですが」
担当の者「その使用方法は、本当に正しい使い方をしましたか?」
購入者「勿論です!説明された通りに使いました。それ以外の用途には使っていません。」

担当の者「それは、申し訳ありません。我社は安心安全をモットーに制作販売をしているので、お客様が間違った使い方をなさっていないとおっしゃられても、コチラではどうしようも無いので…」

購入者「返品したいのですが」
担当の者「いつ購入されましたか?」
購入者「1週間ほど前です」
担当の者「使用されましたよね?」
購入者「そうですね。だから発火した訳ですから」
担当の者「申し訳ありません、購入から3日以内、未使用の場合のみ返品を承っておりますので、其方で破棄をお願いします。」
購入者「返金は」
担当の者「申し訳ありません、返金も、3日以内未使用の商品と引き換えにさせていただいているので…」
購入者「詐欺として訴えてやる」
担当の者「失礼します」
慌ただしく電話が切れる。

そして、その日の内に、購入者は
詐欺として警察に届け出をしたけれど
その会社もろとも、消えていた。
いや、元々無かったのかもしれない。

100%安心な物は無い。
詐欺には気をつけて。
(この話は、フィクションです。)

1/24/2023, 2:21:12 PM

テーマ“逆光”

写真を撮るのが苦手な私は
いつも逆光だった。
それも思い出と笑っていたのに
いつの間にか
そんな逆光も綺麗に加工してくれるらしい。

だが、それは別に
撮る側の人の腕が良くなった訳ではなく
カメラアプリやらデジタルカメラの進歩(進化)ってだけで
何かなぁ………と思う。

1/22/2023, 12:29:35 PM

テーマ“タイムマシーン”

よくある質問で
「タイムマシーンがあったら、過去と未来どっちに行きたい?」
と言うのがあるけれど
タイムマシーン使って過去に行っても
過去を変えては、いけないという。

だけれど、タイムマシーンを使って過去に行く時点で
その過去は変わっている訳で矛盾している。
じゃあ、未来に行ったとして、その未来はまだ起きてないない事ばかりだから、幾らでも変えることは出来るわけで…結局無駄である。

とは言え、ありがちな質問に
真剣に答えると、そこまで考えなくても
とか言われるわけで
何も考えないで過去か未来に行くとしたら
過去に行く。
何も考えていないから、理由は特には無い。
人間が存在しないくらい昔に行って
其処で、何かあって、今に戻れなくなって
私が居ない世界はどう変わるのか…
とか考えずに。

まあ、何も変わらない。
きっと、何も変わらない。

1/20/2023, 1:43:59 PM

テーマ“海の底”

沈んでいく
何処までも落ちていく
ゆっくり、でも速い
光がどんどん遠くなる…

ああ
落とされたんだと気が付いた時は
既に遅い。
もう、浮かび上がる気力も体力もない。

1/15/2023, 10:39:36 AM

テーマ“この世界は”

目覚めたら
俺は……見た事もない場所に居た。
甘ったるい匂いが充満している。
ネバネバする液体が、体中にまとわり付いている。
動けない。

昨日の事を思い出してみる。
昨日、俺は異世界に召喚され
勇者として崇められ、そのまま
初めてあった人たちと魔王退治に出かけた。
勿論拒否権などない状態で。

普通、こう言った小説やゲームなんかだと
勇者様は魔王を倒して英雄になりました。
って感じになるんだろうけど、俺は今、
食虫植物の巨大版に飲み込まれて、身動きが取れない状態にいる。

勇者様御一行は、勇者(そもそも知りもしない勇者と言われ浮かれている異世界人。役に立たない)を見捨てられたと思われる。

俺みたいに、突然「さあ、旅立たれよ」と言われるわけでもなく、それなりに強いパーティーだった筈だし、この森に入った時、謎の生物がいた時も
彼らは、我、関与せず的に
自分達の身を護っているだけで
俺の事は護ってくれなかった。

この世界の事を右も左も分からない
闘い方も分からない、貧弱な勇者など、護る価値無しだと認識したんだろう。
何の説明もされず、俺は今、死にかけている。

ああ、このまま、この食虫植物に溶かされ死にゆくのかと思うと……

途轍もない怒りが湧いてくる。
そして俺は、そのお陰で、勇者の力に目覚めず
魔王の力に目覚めていた。
この世界の人間達に対しての怒り憎しみが
俺を魔王にした。

魔王になった瞬間、俺は食虫植物を内側から切り裂き、外の世界へと舞い戻った。

俺の目の前にいたのは、木陰で寛いだり、ピクニックをしている、勇者御一行様とされた人間達…。
俺の姿をチラリと見て、溜め息をついたのが見えた。

その瞬間、俺は怒りの力を抑えきれずに、その人間達に放った。

1人目が倒れた瞬間、(何だったかなこいつ)
「な、何してんだよ!?俺ら仲間だろ」
そう、剣士のやつが言った。
「俺が、あの中に居た時、助けようとしなかった奴が…仲間…か?」
俺は睨みつける。
「それ、は…あの敵が強くて、回復したら直ぐにでも」
「回復したらっていつだ?俺があの中で溶かされ尽くしているかも知れないのに…か?」
「それ…は」
剣士は目を逸らす。
その瞬間俺は、そいつに一撃を食らわせ、即倒した。
「わ、私は、助けましょうと言ったのよ」
魔術師の女が、そう言う。
「…俺が怪我をしても、治そうとしなかったのにか?」
「そ、それは……」
俺は、女を見下し、ソイツも倒した。

この世界は、腐っている。
勝手に勇者として喚び寄せたのに
なんの説明も無く、1人戦わせ、死にかけたのに誰も助けず、見殺しにしたくせに言い訳だけして、謝罪も無い。

そして、勇者として喚び出された俺は
魔王に成った。
俺が倒しに行こうとしていた魔王の事は知らないが、俺はこの世界の…この土地の魔王に成った。


いつか、別の勇者が俺を倒しに来るかもしれないが、この世界が腐っている限り、勇者の力には誰も目覚めないだろう。

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