蒼月の茜雲

Open App
10/25/2022, 12:33:57 PM

テーマ“友達”


「ねぇ、私達、友達でしょ?」

その言葉に救われて、その言葉に励まされて
その言葉に苦しめられて、その言葉に縛られた。

「友達でしょ?」
なんて言っておきながら
別の人達と、私の悪口言いながら
笑っていたのを見た。

ああ、そうか
【友達】なんて便利な言葉
そう言っておけば
信用されると思ってるんだな。
そう思ったから、私はわざと
気が付かないふりをした。

復讐なんかするつもりは無いし
見てしまった事をバラす気も無い。

いつか、報復を受ける日が来るまでは
【友達】で居てあげる。
いつか、隠し事をしている事が
辛くなるまでは、【友達】で居てあげる。

ごめんね?
私、そんなに心広くないんだ。

10/25/2022, 1:18:56 AM

テーマ“行かないで”

好きな人に、恋人が出来た。
好きな人は、幼馴染で他の人より仲が良かったのに
そのせいか、恋愛対象とは見てくれなかったらしい。

いつもみたいに「一緒に帰ろう」って誘ったら
「ごめん。今日用事あるから…」と断られた。

用事なら仕方がない。
そう思って帰り支度を始めたら、
私になんか目もくれず
教室から逃げるように出て行った。

後を追うように、廊下に出ると
私が見たことも無いような笑顔を浮かべて
恋人繋ぎなんかしてて……
典型的なバカップルみたいに成り下がっている
幼馴染が目に入った。

その瞬間、全てが崩れ落ちた気がして
私自身は、何とも言えない様な表情を浮かべているだろうと察していた。

廊下に出たものの、このまま、帰路につくと
何処かで追い抜いてしまいそうな気がしたから
用事もないのに、教室に戻る。

教室の自分の席に座り
ただ、時が経つのを待つ。

ああ、あんな風な表情を見るくらい
恋人の事が好きなんだなと理解はした。
だけれども、人目がある場所で
あんな行動をするような人だった事に
絶望を覚えた。

そしてきっと、私は
幼馴染が、今の恋人と別れるまで
近付くのを止めよう。
このまま、結婚とかしたとしても
お祝いの言葉だけは掛けて
それ以上はしないでおこう。

万が一にも結婚式に呼ばれたとしても
行かないで、断ろう。
そう心に決めた。


【無理矢理テーマをねじ込む系ストーリー】

10/23/2022, 1:41:06 PM

テーマ“どこまでも続く青い空“

太陽に恋をして
近付こうとした、イカロスの様に
僕も、青い空に心を惹かれた。
いくら手を伸ばしても
あの空には手は届かなくて
空を飛ぶ乗り物に乗っても
空には触れることが出来なかった。

空に向かって、飛ぶ度
空は青くはない事を知る。

やはり、僕は
地面から眺める青い空が好きなだけなのだと
そう気がついた。

青い海の真ん中で
青い空を眺める
邪魔をする者は他には無い。

どこまでも続く青い空
どこまでも続く……

10/21/2022, 11:37:28 AM

テーマ“声が枯れるまで”

声が枯れるまで
泣いた事も
声が枯れるまで
笑った事も
声が枯れるまで
怒った事も
声が枯れるまで
叫んだ事も無い。

感情が乏しいと
嘲笑われた。

けれど
そんなに感情の起伏が激しい人の方が
普通では無いと
気が付かないのだろうか。

10/20/2022, 1:57:23 PM

テーマ“始まりはいつも”

朝、スマホのアラームで目覚める。
ピピピピ…という無機質な音。
アラームを止め
伸びをして、二度寝をしたいと思う。
アラームが鳴ったのだから
別に時間を確認しなくても
目覚める時間で間違いはないのだけれど
壁に飾ってある
モノクロの壁掛時計を見上げる。

本日も1分の遅れもなく目覚める。
洗面所に向かい、手を洗い
口を濯いでから、トイレに行って
用を足す。
再び手を洗ってから
トースターにトーストを入れ
いつもと同じ時間だけ焼く
ポットに水を入れ(すぐ沸くポット)
その日の気分のフレーバーティーを選ぶ。
2〜30種類ほど常備してある。
レモンティーやアップルティーのような
ありきたりなフレーバーティーから
コーヒーのフレーバーティーと言った
変わり種まで。
フレーバーティーと言っても
紅茶だけでは無く、緑茶や麦茶、ルイボス…
様々な種類の茶葉が揃っている。
パンが焼きあがるまでに、選んで
カップにティーバッグを入れ
お湯が沸いたら注ぎ入れる。
パンが焼けたら、パンを食べながら
フレーバーティーを飲みつつ
天気予報を確認してから、着替えて
歯磨きや洗顔し、髪を整えて
昨日のうちに用意してあったカバンを手に
外に出る。

毎日、始まりはいつも、変わらない。

生真面目とかではなく
変えると気持ち悪くなる。
つまりは、気持ちの問題。

Next