蒼月の茜雲

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10/13/2022, 11:36:34 AM

テーマ“子供のように”

何年ぶりだろうか。
小学生の頃の仲間達と
同窓会をした。
変わらぬ者
変わった者
様々だったが
皆、あの頃の思い出話に花を咲かせていた。

けれど、時間が経つにつれ
結婚をして子供が、とか
仕事は何をしているだとか
現在の事に話が変わっていく。

私には何も無い。
結婚もしてない、子供も居ない
仕事も定職に付いていない。

子供の頃のように
みんな同じでは無いと分かっては居るものの
とても、居心地が悪く
途中で逃げるように帰ってしまった。

同じ教室で、同じ授業を受けていたはずなのに
あの頃と同じ関係では居られないのだと
切なくなった。

10/11/2022, 10:23:36 AM

テーマ “カーテン”

少女漫画でありがちのカーテンの裏に隠れての口づけ。

「あれ、窓の外からは見えてるよね。」
そんな事を言いながら、ふと校舎を見る。

「…おー…」
まさに、そんなシチュエーション真っ只中の人と
目があってしまった。
誰かは、知らないけれど。
慌てて目を逸らす。
「見られたいんじゃない?」
苦笑いをした友人と、そんな事を言い合う。

「若いって…凄いね」
「若さ故の過ちに気付くのは…」
「気付かないよ。多分」
「そうだよね」
「きっと、老いてから同じ事してる若人(わこうど)を、ヤレヤレって目で見るんだよ」
「今の私達みたいに?」
「そこ迄老いてないし」
そう言いながら、通り過ぎて行く。

全く別のカーテン越しに、
誰かが見つめていた事を
彼女たちは知らない。

10/10/2022, 1:10:58 PM

何故
泣いているの?
何故…?
慰めたくても慰められない
手をかざしても
すり抜けるだけ…
声が聴こえるのに
顔が見えるのに
抱き締めてあげたいのに
すり抜けるだけ…

ごめんね。
その涙の意味は私のせい?

10/10/2022, 1:44:51 AM

今日の夕飯は、カレーライスよ。
大好きなお母さんに、そう言われて
朝からずっとウキウキしている。

テレビを観ていても
漫画を読んでいても
勉強していても
ずっと夕飯のこと考えている。

甘口で、ジャガイモがゴロゴロ入っている。
肉や人参よりも、ジャガイモが多い。
玉ねぎは、溶けたのか姿が見えない。
お母さん手作りのカレー(だが、ルウは市販だ)

夕飯の準備をし出した時
ずっと、観察していたら
「見ているより、手伝って欲しい」
と言われたので
楽しみにしてるカレーのためだ!
そう思い、手をきれいに洗い
野菜の皮むきを手伝う。
玉ねぎは、ピーラーを使わなくてもむける
けど、涙が出る。
鼻水も出る。

玉ねぎをむき終えたら、手を洗ってから
涙を拭き、鼻をかむ。
手を洗わなかったら、悲惨なことになる。

次は人参。
ピーラーで皮をむく。
最後にジャガイモ。
ジャガイモは、芽を取らないといけない。
毒があるって言われた。

…芽には毒があるのに
ジャガイモ自体は食べられるんだから
凄い(生は駄目)

「皮むき終わったよ」
そう告げると
「ありがとう」
そう言われる。
少しは役に立てたかな?

その後、お母さんは
あっという間に、
玉ねぎ、人参、ジャガイモを切って
火にかける
玉ねぎは先に、茶色くなるまで炒める
人参とジャガイモと水を入れて煮込む
アク抜きをして
肉を入れる。
我が家は豚肉派。
カレー用の肉では無く
特売していた、細切れ肉。

ある程度煮込んだら、火を止めて
カレールウを溶かし入れる。

その後は、余熱で20分ほど放置。
食べる直前に温め直して、完成!

テーブルの上に並んだカレーライス。
「いただきます!」
スプーンを取って、カレーライスを口に運ぶ。
ああ…幸せだ。

こんなに心が踊る夕飯…最高。
数分後!
「おかわり!」
そう叫ぶのはもう、判っている。