蒼月の茜雲

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テーマ “カーテン”

少女漫画でありがちのカーテンの裏に隠れての口づけ。

「あれ、窓の外からは見えてるよね。」
そんな事を言いながら、ふと校舎を見る。

「…おー…」
まさに、そんなシチュエーション真っ只中の人と
目があってしまった。
誰かは、知らないけれど。
慌てて目を逸らす。
「見られたいんじゃない?」
苦笑いをした友人と、そんな事を言い合う。

「若いって…凄いね」
「若さ故の過ちに気付くのは…」
「気付かないよ。多分」
「そうだよね」
「きっと、老いてから同じ事してる若人(わこうど)を、ヤレヤレって目で見るんだよ」
「今の私達みたいに?」
「そこ迄老いてないし」
そう言いながら、通り過ぎて行く。

全く別のカーテン越しに、
誰かが見つめていた事を
彼女たちは知らない。

10/11/2022, 10:23:36 AM