3/10/2025, 2:58:07 PM
#願いが1つ叶うならば
何も知らなかったあの頃に戻りたい
好きだという気持ちだけで
なんでも乗り越えられると
思っていた
ずっと前だけを向いていられると
思っていた
誰になにを言われても
お前となら……
大切にしたい
ただ、一緒にいたい
それだけなのに……
どうして……
3/9/2025, 2:39:12 PM
#嗚呼
嗚呼、どうせお前にはわからないよ
告白したのも俺からだし
キスをしたいと言ったのも……
だから、俺ばっかりが好きなんだ
ずるい?
何がだよ!
可愛い?
ふざけるな!
お前なんて、お前なんて……
3/8/2025, 11:58:37 AM
#秘密の場所
高校のとき
誰が鍵を壊したのか知らないけれど
屋上の扉が開けっぱなしなことに気がついた
それからは
昼休みに放課後
特に理由はなかったが
自分だけが選ばれた特別な存在になれた気がして
自然と足が向かってしまう
しかし、ある日の放課後
誰もいないと思っていた屋上に
アイツがいた
これがアイツとの最初の出会いだ
3/4/2025, 1:16:03 PM
#約束
今日は水曜日
会社が決めているノー残業デーだ
本当は今日中に終わらせておきたい
仕事があるけれど
ノー残業デーなんだからしょうがない
だって会社が早く帰れって言ってんだから
約束の時間は十九時
自然と早歩きになってしまう理由を
会社のせいにして家路へ急ぐ
『お邪魔します』じゃなくて
『おかえり』を言える大事な日
背広のポケットにしまってある
合鍵の存在を
俺は軽く触れて確かめた
3/3/2025, 2:10:38 PM
#ひらり
ひらりひらりと
桜が舞い散るこの季節
待ち合わせなんかしていないのに
名前も知らないあの人と
今年も二人だけのお花見だ
夜は誰もいない小さな公園
桜の木の下に置かれたベンチ
コンビニで買った缶ビールと
去年、あの人が好きだと言っていたおつまみ
覚えていてくれたのかって
喜ぶ笑顔が目に浮かぶ
この関係に名前はなかった
でも今年こそは……