私が眠りにつく前に
いつか君が話したあの夢の続きを聞かせて
私の涙が溢れる前に
いつかの君と同じ、大好きだったあの笑顔を見せて
もう二度と戻れないあの日常は
いつの日か私の中で
「もう二度と戻りたくない日常」に変わってた
それは本当にそう思ったものなのか
無理やり気持ちの中に落とし込んだものなのか
自分でも分からないままだから
いつか隣に立つ誰かに
私は同じ答えを問うてしまうのだと思う
私だけが 貴方を受け止められると
いつからかそう錯覚してしまっている私がいて
私が居なくても当たり前に生きていける貴方と
私が居ないと貴方は生きていけないと
当たり前のように思っている私と
きっとそこからズレていたはずの日々の音色が
完全な無音になるのに 時間はかからなかった
目が覚めると
いつもと同じ部屋に いつもと同じ香りに
いつもと同じ位置のテーブルに
変わりない幸せと言えるものがあるはずだった
変わらない君の笑顔があると思っていた
でもね
変わらないものなんて
今更何一つなかったんだよ
君の笑顔も、この毎日も
テーブルの位置だって
変わらないんじゃなくて
変わってくものをただ必死に引き止めているだけだったよ
君と最後に会った日
私達は途方もなく
あの空に浮かぶオリオン座を眺めてた
「ねえ、もう終わりにしようよ」
「私はまだ君の側に居たいよ。」
「これ以上君を泣かせられない」
「何故?泣かせなければいいじゃない。」
苦痛に歪む君の顔を見て
本当に間違えていたのは君でも私でも無い
出逢ってしまった現実だったんだと
私は強く切なくなった
「じゃあ もう行くね。」
「うん、またどこかで会えたら」
「会うことは無いよ。私が嫌だもの。」
「…ごめん」
君を突き放すことが
私を。君を。守る為の術と思った
側に居たい その本音はきっともう
この先君に伝わる事は無い
オリオン座の光るこの空を私は
未来で誰かと眺める度に涙を流すんだろう
君は繊細な花のように儚く消えて
それでもなお私の胸には残り続けるなんて
図々しいと思わない?
それでも「愛おしさ」が私の中にある以上
決して抜けられない呪霊のような恋だった