基本連絡は取らない。
取るとしても、
貴方から突拍子も無くかかってくる電話か
私のシフトを伝える程度で。
それが貴方と私の日常で
それが貴方と私にとっての当たり前で。
別に悲しくなんてないわ
ただ、ほんの少し。寂しいだけ。
貴方の「特別」になれないことが
ただ、ほんの少し。悔しいだけよ。
別れはあまりにも突然だった
私が1番だと言ってくれていた彼は
いつの日か違う誰かのものになった
繋がっていたSNSは全て切られ
彼のストーリーには私では無い
誰かと笑っているものが写るようになった
それがきっと運命だと気付くには
私にはまだ早すぎたのかもしれない
でもね
貴方が心のどこかでまだ
私の事を思ってくれているなら
唯一貴方が消していないLINEくらい
消してくれてもいいと思っているんだよ
君とみたあの夜の海を、街の夜景を
賑やかな商店街を、和やかな旅館の廊下を
あの映画を、あのアニメを
河川敷から見る月の光を、空に輝くオリオン座を
君しか持つことの無い香水の香り
君にしか出せない可愛い笑顔
風に吹かれる君のくせっ毛
振り返っては歩幅を合わせてくれる優しさ
倒れた私を抱えた時の君の顔色
酔っ払った私を見る愛おしそうな目
あの日々を、あの記憶を、私はこれからもきっと
忘れられない、いつまでも。
もしも未来を見れるなら
今はもう隣にいない貴方と
もう一度だけ巡り会える未来を
貴方と離れて、自分なりに色を付けていた日々が
当たり前のように無色な世界に変わった
「俺は今でも好きだよ、これからもずっと」
涙を流してそう言った貴方は
忘れられないほど私を愛おしく抱いた
初めてだったよ
貴方にこんなに愛してもらったのも
だからこそ、私達は
お互いの居ない、色の無い世界で
生きていかなければいけないと強く思った
幸せだったからこそ
離れることも愛だと思った
「私だって、ずっと好きだよ、君のことが」