まあ成人が18になり、もともと結婚できる歳も16かそこらだったし、影が薄くなったよね。ハタチくん?あれ?ないちゃった?だめだよ18くんにわらわれちゃうよ?
今年の抱負は、とか訊かれてもそれは一に仕事、二に仕事、三四も仕事で五に健康、みたいな親父くさい事実しかないから…
こないだカルディに並んでいて背伸びして棚の上のカフェインレスカフェオレベースを取って隣の人に「それ薄めるんですか?」と聞かれたので『そうです私は胃が悪いのでカフェインレスなんです。これをカルピスみたいに牛乳で薄めてコーヒー牛乳を飲むんです』とひとくさりコーヒー牛乳について澱みなく説明したあの明るい曇り空の日の差し込む黄色い光のような狂った眼の女は私です。その節はどうも宣伝しました。良いですよ、カフェインレスコーヒー牛乳。
了
「王様の穴」
夢の中で王様の穴を掘っていた。王様が。
深く、深く、沢山、たくさん、
王様の秘密は王様1人で掘らなければならない。王様の秘密は王様だけのものだから。
城の裏庭は王様の穴で一杯。よろけた瞬間に王様は穴のひとつに落ちた。
すると上から声が降ってきて
「こんなに沢山掘る必要は無くて貴方の分ひとつで良かったのに、david」
おれはそんな名前だったっけ、と思う間に天から黄金の土砂が降り注ぐstardust降り注ぐ金襴緞子衣装の間に間に星屑が挟まる
了
「刑事貴族でしょう!」
「今回は新しい切り口で来たね新人ちゃん、そして『その心は』とかあえて聞かないからね、おれは」
「そういう部長も今回はマイルドですね。三角関係の当て馬キャラみたいなキャラ作りを感じます」
「毎回お前は新しい切り口を用意してくるのに冒頭のツッコミだけ海馬が死滅してるんだよなあ…じゃあ俺も新しい切り口で話を進めるけど今回の新聞部のコラムのお題は『泣かないで』執筆は新人ちゃんね」
「えー新人何書こうかなあー舘ひろしの話はまずいですよね。」
「すごくまずいし現代高校生には通じないね」
「部長、今日私SEで執筆してるんですよ。体感ではここら辺で窓が狭くなる予定です。『ハンバーグを作る時に泣かずにタマネギを刻む方法』とかどうですか?」
「その利用範囲が極端に狭いテーマ気に入った!で、どうやったら泣かずにタマネギ刻めるの?」
「私思うんですけどね、最初に泣ける映画観て泣いておいてから刻んだらもう出ないんじゃないかと」
「推測なんだーそういういい加減さおれは好きよ好ましいよ。で、例えばどんな映画で泣けるの?新人ちゃんは?」
「えー私は『普通の人々』かなあー」
「古すぎるしめっちゃコアだよ新人ちゃん、そこは、せめてタイタニックくらいに収めておこうよ…」
「今回は窓が狭くなりませんね!部長!」
「メタいよ、でもたまにはこう言うオチのつかない話をしてダラダラ続けるのもいいな、ホラ、俺当て馬キャラだから今日」
「中途半端に親切で目当てのキャラを舐め切っててたまに現実の厳しさを知らせて心を揺さぶるキャラですよね!」
「痛い所つくなあ…泣いてもいい?」
了