こないだカルディに並んでいて背伸びして棚の上のカフェインレスカフェオレベースを取って隣の人に「それ薄めるんですか?」と聞かれたので『そうです私は胃が悪いのでカフェインレスなんです。これをカルピスみたいに牛乳で薄めてコーヒー牛乳を飲むんです』とひとくさりコーヒー牛乳について澱みなく説明したあの明るい曇り空の日の差し込む黄色い光のような狂った眼の女は私です。その節はどうも宣伝しました。良いですよ、カフェインレスコーヒー牛乳。
了
「王様の穴」
夢の中で王様の穴を掘っていた。王様が。
深く、深く、沢山、たくさん、
王様の秘密は王様1人で掘らなければならない。王様の秘密は王様だけのものだから。
城の裏庭は王様の穴で一杯。よろけた瞬間に王様は穴のひとつに落ちた。
すると上から声が降ってきて
「こんなに沢山掘る必要は無くて貴方の分ひとつで良かったのに、david」
おれはそんな名前だったっけ、と思う間に天から黄金の土砂が降り注ぐstardust降り注ぐ金襴緞子衣装の間に間に星屑が挟まる
了
「刑事貴族でしょう!」
「今回は新しい切り口で来たね新人ちゃん、そして『その心は』とかあえて聞かないからね、おれは」
「そういう部長も今回はマイルドですね。三角関係の当て馬キャラみたいなキャラ作りを感じます」
「毎回お前は新しい切り口を用意してくるのに冒頭のツッコミだけ海馬が死滅してるんだよなあ…じゃあ俺も新しい切り口で話を進めるけど今回の新聞部のコラムのお題は『泣かないで』執筆は新人ちゃんね」
「えー新人何書こうかなあー舘ひろしの話はまずいですよね。」
「すごくまずいし現代高校生には通じないね」
「部長、今日私SEで執筆してるんですよ。体感ではここら辺で窓が狭くなる予定です。『ハンバーグを作る時に泣かずにタマネギを刻む方法』とかどうですか?」
「その利用範囲が極端に狭いテーマ気に入った!で、どうやったら泣かずにタマネギ刻めるの?」
「私思うんですけどね、最初に泣ける映画観て泣いておいてから刻んだらもう出ないんじゃないかと」
「推測なんだーそういういい加減さおれは好きよ好ましいよ。で、例えばどんな映画で泣けるの?新人ちゃんは?」
「えー私は『普通の人々』かなあー」
「古すぎるしめっちゃコアだよ新人ちゃん、そこは、せめてタイタニックくらいに収めておこうよ…」
「今回は窓が狭くなりませんね!部長!」
「メタいよ、でもたまにはこう言うオチのつかない話をしてダラダラ続けるのもいいな、ホラ、俺当て馬キャラだから今日」
「中途半端に親切で目当てのキャラを舐め切っててたまに現実の厳しさを知らせて心を揺さぶるキャラですよね!」
「痛い所つくなあ…泣いてもいい?」
了
べいべべいべべいべ…」
「何を言ってるんですか?」
「いや、何か呼ばれたような気がしておれはフォロワじゃないんだけど」
「そういうメタネタは外でやってくださいよ、所で部長、このスリルなんですけど1匹いくらで売りますか?」
「スリル?こないだ二束三文でアマゾンから仕入れたやつ?いいよ君の適当で」
「雑だなぁ販売促進部部長でしょ、部長」
「そういう君はただの派遣だけどね」
「派遣差別しないでくさい、このスリル、本当に売れるんですかあ?」
「売れるよ。スリルは味とか手触りとかビジュアルじゃない。薬効だからね」
「こんなもんになんの薬効が?」
「まず危機感を感じる、心臓が痛くなる。すぐさま席を立ってその場所から逃げたくなる。効きすぎるとその場で失神、トラウマに長年悩まされる者もいる」
「麻薬じゃないっすか!ここブラック会社だったんですかダメですよ反社は規約に違反してるんです!」
「でもねえ、売れるんだねえ…実際、人間の役にも立つの。薬効だから。毒物でも。」
「じゃあ薬効の方を、」
「まず生きてて良かったという謎の実感が得られる。生きている=自分は何がしかの選ばれし者という根拠のない自信、ご飯が美味しい、たまたま隣にいた女性が美人に見える。もしかして人生ってそんなに悪く無いんじゃ無いかという根拠のない幻想に溺れる。下手すると新しい職に転職したりアーティストに身を落としたり、はたまた結婚したり子供を作ったりする」
「微妙に違法な気がします」
「でも売れるしねえ…まあサタンが喜べば地獄も潤うって言う、それは商業主義の宿命だから」
「ベルゼブブほんとに仕事と人間好きですね」
了
脳の裏は前頭葉ですよ、と思ったけど普通に考えたら後頭葉ですね。確か後頭葉の下部くらいのところにR領域があり、恐竜の脳、獣の脳と呼ばれるような太古の領域が隠れています。近くに海馬もあります。お立ち寄りの際はお越しください。
(今再確認したら大脳奥底ら辺でした。マップを書き換えておきます)