冬を彩る鮮やかなイルミネーション。
「綺麗だね!」
キミが鮮やかな光の中でこちらを向いて笑って言った。
嗚呼、キミが。キミこそが、どのイルミネーションよりも綺麗に僕の心を鮮やかにしてくれるんだ。
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イルミネーション
あの人を、あの人を忘れられるくらいの愛を私に注いで。
私も貴方が忘れられないあの子の事を忘れられるくらいの愛を注いであげるから。
表向きは仲良し恋人。
裏では激しく愛を求める2匹の獣。
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愛を注いで
身体と身体は簡単に繋がることはできるのに
心と心はどうやら簡単には繋がることができないらしい。
何と滑稽なことだ。
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心と心
この恋心に目を向けてはダメ。
なんでもないフリをして今日も貴方の隣の
"トモダチ"
を演じる。
「ふ、フラれた…」
好きな子に告白をした。
だがしかし、見事に玉砕。
フラフラといつもの溜まり場に出向いて周りにいる数名の人間に状況を伝えた。
「あー、やっぱりか」
「お前、アタック全然しなかったじゃん」
「ヘタレめ」
ズケズケと遠慮なしに傷心中の自分に言ってくるあたり素直だなと思う。良い風に言えば。
「って、事で〜」
1人がドヤァという顔でもったいぶった間を作り何かを言おうとしていた。周りにいる奴らもニヤニヤしている。
「フラれてかわいそうなお前に俺らからプレゼントだ!ありがたく受け取れよ」
そう言って冷たいものが首に触れた。思わずビクリと体が震える。
よくよくみてみると某有名炭酸飲料だった。
「…え?」
状況が分からずクエスチョンマークを浮かべる自分に周りの奴らはフフンっとこれまたドヤ顔で声を揃えて言った。
「「「オレら、仲間だろ」」」
そうか。仲間か。
なんかいいな、友達じゃなくて仲間。
フラれたというのにそんな事がどうでもよくなるくらい歓喜で胸がいっぱいになった。
※※※
数日後
「オレら付き合うことになった」
仲間の1人が嬉しそうに自分がに数日前にフラれた女の子と付き合う宣言をしてきた。
…仲間ってなんだったけなぁ?
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仲間