君が行くこの道の先のずっと先
そこまで僕は一緒に行けないから
つい笑ってしまうようなしょうもない思い出を
この道いっぱいに敷き詰めておくよ
だから振り返ったっていい 何度だって
「立ち止まるな」「前に進め」なんて
君はそんな器用な人間じゃないだろう?
僕もそう
今もまだ振り返ってばかりで
だからいいいかな
もうちょっとだけ
君の道に寄り添っても
くしゃくしゃになった夢で散らかった部屋
重いカーテン 漏れない日差し
その一つひとつがゴミになったのは
ただ単にお金が無かったから
才能があるなんて自惚れていたから
結局自分が一番可愛かったから
たまに思うよ
今では綺麗に光が差し込む部屋
ひとつくらいなら
その隅にでも飾れたのかもしれない
後悔なんてしてないさ
人並みには大人になったつもりだから
窓越しにぼんやりと見えるのは
まだ咲ききらない桜の下
早く大人になりたくて背伸びしすぎた横顔
先生に叱られた学校の帰り道
わざと遠回りした先にあった海辺の桟橋と夕焼け
初めて繋いだ手 伝わる体温
赤く染まった空と君の頬
凍える風 前が見えなくても
振り返るといつも寄り添ってくれた白い足跡
だんだん眩しくなってきて細める目
閉じてしまうにはもったいなくて
あと少し、もう少しだけ見せて
懐かしき思い出
あの出会いは運命だと
見えない糸のおかげと繋ぎとめたのは僕
この別れも必然と
見えない糸のせいにして引きちぎったのも僕
「ひとりにしないで」
それでもそれに縋ろうと手を伸ばした
見えたふりして
見えないふりして
この夏全てを味方につけて
大きく高くふんぞり返るアイツに
見下されてる気がした
「いいよなぁ、のんきにフワフワと」
バカにしてやったのかもしれないし
ただ羨ましかっただけかもしれない
あの頃の僕は
すごい天の邪鬼だったから
もしかしたら
アイツもそうだったんだろうか
あの時一緒に泣きたかったんだろうか