『風鈴の音』
チリンチリン
『暑いな〜』
『ねー』
『早く終わってくんないかな〜』
『ねー』
『それしか言えないの笑?』
『YES〜』
『だめだ、もう脳が溶けてる。良いやつだったよ』
『まだ死んでないよ』
そんな会話をしながら、2人でアイスを食べる
暑い夏に食べるアイスはとても美味しい
チリンチリン
風鈴がなると何故か涼しく感じる
無限に続く青空と、綺麗な音を鳴らす風鈴
まだまだ夏は続きそうだな〜
『心だけ、逃避行』
いつも一人のあの子は今、どんな気持ち何だろう
聞いてみても、『大丈夫』とだけ言って外をぼんやりと見ている
本当は大丈夫な訳ない
隠しているつもりでも分かるよ
日に日に増えていく腕の痣
虐待…だよね
辛いはずなのに、苦しいはずなのに…助けを、求めたいはずなのに…
どうして、平気で笑っていられるの?
わからない…
『助けて』そう言うだけで、君は救われるのに…
君は何から逃げているの?
まだ、認めたくないの?
親から虐待されている事
私、心配なんだよ…
君がもし、虐待が原因で死んでしまったら
私、心が壊れちゃうよ
私は貴方が大切。
…死ぬときは、言ってね
私も一緒に死んであげる
君を、あの世でも一人にさせたくないから
一緒にこの世から逃げよう?
二人なら、怖くないでしょ?
大丈夫。貴方には私がいるから…
『冒険』
『みんなー!わるいやつをたおしにいくぞー!』
おぉー!!
昔、友達とよく勇者ごっこをして遊んでいた
近くの公園の周りを歩いて、また公園に戻って悪い奴を倒しに行く。
そんな遊び。
とても楽しかった。
今はもうしない、子供の頃にだけ出来た冒険。
あのワクワク感がとても好きだった。
昔は遠いと思っていた、お店も家も、今大人になると
近く感じてしまう。
友達と公園の周りをぐるぐる回って悪い奴を倒しに行くのは、もう出来ないけど、
人生というなの冒険はまだまだ始まったばっかり。
この冒険の目的は悪い奴を倒しに行く事じゃない、
楽しく生きる、満足して死ぬ、を目的にして
僕は一歩、前に足を踏み出す。
僕の冒険はまだまだ終わらない…
『届いて……』
私、最後に貴方に会いたかった。
会って、そして、別れの言葉を面と向かって、言いたかったです。
貴方に会えなかったら、この気持ちは言えない。
私が引っ越してきて、学校にも不慣れのとき、
貴方が声をかけてくれた。
貴方が居たから、私は楽しく学校生活を送れたんです。
感謝の気持ちを貴方に届けたい。
引っ越す前に貴方と話がしたかった。
いつまでも、いつまでも、貴方のそばにいたかった。
でも、貴方は私のそばを離れてしまった。
もう会うことは出来ない。
君ははるか遠い場所にいってしまったのだから。
君はイジメをうけていたんだね。
貴方は自分がイジメられていても、人に優しく出来る、
心優しい人。
ごめんね…私がもっと早くに気づくべきだったね
ごめん…
でも、これだけは言いたい。
『貴方のおかげで、私は楽しく生きることができた…』
これだけは届いてほしい。
大丈夫、一人じゃないよ。
私も、今から引っ越すから…
『あの日の景色』
あの日、僕は見てしまった。
クラスでも一番人気のあの子が、人気のない森で人を殺しているのを。
僕は見てしまった。
恐ろしかった、怖かった。
見てしまった僕もあの子に殺されるんじゃないかって。
でも、あの子はただただ笑って、森を出ていった。
僕はただ混乱してその場に突っ立っていた
次の日、僕はその子とあった。まるで昨日の事が嘘みたいに、平然と過ごしていた。
あの子の態度から、僕は昨日の事が本当だったのか、
夢だったのか分からなくなった…
あの子は誰にでも優しくて、イジメ、ましては殺しをするような子には思えない…
きっと、昨日の事は僕の見間違いだろう。
そう、僕は自分に言い聞かせた。
―あの日の、私は見てしまったの。
クラスではあまり目立たないあの子が、森で人を殺しているのを…