6/23/2024, 11:09:56 AM
子供の頃は
世界の至る所に鮮やかな色がついていた。
小鳥が飛び立つだけで
赤や緑、黄色と
色んな色が目に見えていた。
キラキラした世界で
キラキラした毎日で。
家に帰れば食事があって
お風呂から上がれば服が用意されていた。
今となっては
食事を作るのも、服を用意するのも私。
全て私が私の世話をする。
色も紺や黒、青色と
暗い景色になってしまった。
でもこの色は、色んな色が混ざっただけ。
食事を作るようになったのも
服を用意するようになったのも
私が生きて成長した証。
また綺麗な色を混ぜれば
あの綺麗な景色が見れるはず。
そう信じて、私はこれからも色を探す為に生きる。
6/22/2024, 9:10:23 PM
今日は、聴こえてこない。
あのカラスの声。
密かに楽しみにしていた
あのカラスの声。
朝の知らせはいつもあのカラスがしてくれて
その声を聴いてから朝食を作っていた。
けれど、今日は梅雨入りの日。
雨がザーザー降っている。
カラスも人も、雨は嫌いだ。
膨らむ髪。
憂鬱漂う空気。
そしてジメジメとした湿気。
朝から気分が上がらない。
ふぅ、と、息を吐こうとしていると
カーカーカー、と、あのカラスの声。
今日も、朝を知らせてくれた。
あのカラスの声。
頑張ろうと思わせてくれた
あのカラスの声。
私はよしっと気合を入れて
朝食の準備を始める事にした。