KANNE

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8/15/2025, 4:31:08 AM

実家に寄った帰り
近くの公園を通った
そこは、子どもの頃
毎日のように
近所の子どもたちと遊んだ場所だった

でも
記憶の中にある公園とは
まったく別になっていた

それもそうか、と思う

わたしが公園で遊ばなくなって
それでもここをよく通っていたけど

箱ブランコは
留め具がはずれて
箱が落下する事故が起きたから

ジャングルジムは
てっぺんから
滑り落ちる事故が起きたから

砂場は
ネコのフンがあって
汚いから

危ないから、と
シーソーも回転ジャングルジムも

ここを通るたびに
少しずつ撤去されていって
寂しく思ったのを思い出した

子どものころに遊んだあの公園は
わたしの子ども時代の
楽しい思い出と一緒にある
風景だったんだな、と思う








8/14/2025, 3:48:38 AM

金魚という生き物は
与えたら与えただけ
エサを食べてしまう

なのでわたしは
自分の朝ごはんの時に
エサを与えるだけにしている

朝一番にエサを食べていても
そのあと
わたしが金魚鉢に近づくと

エサ?くれるの?

というかおをして
水面にあがったきて
口をパクパクさせるのだ

そんな姿を見て
かわいいな、と思ったところで
はっとする

エサやってなかった!

わたしは慌ててエサをあげる
という金魚にとっては
迷惑でしかないことを
3日に1回はやってしまうのだった

金魚の無言の抗議活動であった

8/9/2025, 1:30:53 PM

酷暑の夏の昼さがり

あまりの暑さに
何もする気がおきず
わたしは寝室の窓を開けて
昼寝をしていた

室温は高いが
風が通るので
気持ちよくウトウトしていると
ダンナがこっそり
部屋に入ってきた気配がする

「暑っ…!」

ダンナは窓を閉め
エアコンのスイッチを
入れてくれたようだ

そして、そっとドアを閉めて
出ていった

エアコンから
そよそよと風が吹いてくる

ありがとう、ダンナ…

…しかし、ちっとも涼しくならない
なんかさっきより暑い気がする
なんで?

わたしは起き上がり
リモコンの画面をみた

そこには
冷房ではなく送風の文字が…

室温を見ると32℃

死ぬかと思った

8/9/2025, 4:20:38 AM

小学6年生のときのある日の放課後
東校舎の階段掃除当番だった
わたしの班

3階から順に掃除して
1階にたどり着き

その間ずっとふざけていた
落ち着きのない男子2人がいたのだが

学級委員のもう1人の男子や
女子たちがずっと注意していた
にもかかわらず

調子にのった2人は
楽しそうに取っ組み合いながら
廊下の壁に激突

すると
壁にかかっていた消火器が
激しい音を立てて床に落ちたのだ

ぷしゅーっ、という音とともに
消火器の粉がでて廊下一面真っ白に

慌てふためく小学生6人

小学生たちは考えた
とりあえず、掃除しよう

途端に団結して
廊下を水拭きし始めた
ふざけていた男子も必死だ

…しかし健闘むなしく
拭いても拭いても白さはとれず
ついに先生に見つかってしまった

当たり前だ
5時まで掃除している小学生など
あやしすぎである

詳しい事情は明日聞くから、と
わたしたちは帰された

帰り道
学級委員の少年は真っ青だった
真面目な彼にとって
悪夢のような出来事だったに違いない

女子たちは励ました
悪いのはふざけていたあいつらだから
気にするな、と
少年は明日先生にどう言えば良いのかと
ますます青ざめていたのだった

次の日

朝の会の最中
先生が昨日の事情を話してもらうと言った

え?みんなの前で?

隣の席の学級委員の少年は
青くなっている
わたしは同情の眼差しをむけた

しかし先生は
わたしを指名したのだった

まさかの指名にびっくりしたが
とりあえず立ち上がって
説明せねばと
「じつは…」
と、言った途端
クラスのみんなと先生が爆笑した

なにがツボったのかわからないが
とりあえず
なごやかな雰囲気の中
この事件は収束したのだった

席につくと隣の席の少年は
ほっとした表情だった

こうして彼の長い悪夢の1日は
なぜかわたしが笑われて
終わったのだった






8/7/2025, 5:56:35 AM

2年前
そろそろ終活もかねて、と
納戸にあった本棚8個分のマンガを
処分した

新しいマンガは
部屋の本棚にあるし
納戸にあったものはもう何年も
読み返すことがなかったのだ

小学生の頃からのものなので
思い入れもあったが

もう何年、何十年と読み返さなかった
ってことは
この先再び見ることはないだろう

そうして、わたしは
思い出とともに別れを告げたのだった

あれから2年

今、突然読み返したいマンガがある
もちろん処分したものだ
あんなに何十年もほったらかしだったのに
なぜ!?今になって…

苦渋の決断だが
おそらくわたしは
この後、全巻買い直すだろう

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