その昔
バイオハザードをやっていたとき
何度かクリアしたあとに
2時間だったかでクリアすると
ロケットランチャーが手に入ると知り
絶対欲しい!
と、わたしはチャレンジすることにした
館の見取り図をかき
必要なアイテムの場所と
最短経路をかきこみ
いざ!
と、やってみるも
クリアしても時間ぎれとなる
何度やっても時間ぎれ
次やってダメだったらもうやめよう
そう思うも、もしかしたら次こそは…
総プレイ時間うん十時間
時間内にクリアしたわたしは
ついにロケットランチャーを手にした!
わたしは
ロケットランチャーを持って
ゾンビたち相手に
無双したのだった
むすめが生まれて
すくすくと育ち
なにかを話そうとする姿をみて
はじめての言葉はなんだろう?
パパかな、ママかな
と、だんなとわくわくしていた
それは、とつぜんだった
むすめはベッドのうえで
泣きながら叫んだのだ
「ななっ!」
いつでもどこでも
それがあればご機嫌
出かける時もすぐ渡せるよう持ち歩き
泣いてもそれがあれば泣き止むという
むすめの必須アイテム
むすめのはじめての言葉は
バナナであった
むすめを連れて
実家に遊びに行ったときのこと
おばあちゃんは手首をひねったらしく
湿布を貼っていた
はじめて湿布を見たむすめは
興味津々に湿布をながめ
「しっぷ、はる!」
と言いだした
貼ってやれば満足するのだろうが
キリがないので
「これは、すごく痛いとこに貼るものだから
痛いとこない人は貼らないんだよ」
と、実に当たり前のことを伝えたつもりだった
これであきらめるだろう、と
しかし
むすめは突然立ち上がったかと思うと
ゴンッ
と、頭をテーブルにうちつけたのだ
あぜんとするわたしとおばあちゃん
むすめは笑顔で
「あたまいたくしたからしっぷはる!」
と元気に言ったのだった…
おでこに湿布を貼り
むすめは満足そうであった
2番目のむすめが
幼稚園面接に行った3歳のとき
面接官は上のむすめの担任で
わたしはほっとした
よほどのことをやらかさなければ
大目に見てもらえるだろう、と
むすめと先生は和やかに会話がすすみ
わたしは
隣りで別の先生と面接をしている
緊張している子どもたちを眺めて
微笑ましい気持ちでいた
…わたしは油断していた
この幼稚園は、入園にあたり
箸でお弁当を食べれるようにという
きまりになっている
上のむすめでわかっていたので
現在練習中だが、
入園までにできるようにする予定だった
その質問は絶対あると思ったので
むすめにもそう伝えるよう言い含めていた
だが…
「はし、もてるかな?」
先生がそう聞いてきた
むすめは
もう面接に飽きていたのだろう
椅子の背もたれに背中をあずけ
あろうことか右肘まで乗せ
「もてるよー
もつだけならねー
ごはんたべれないけどねー…いてっ!」
わたしは無言でやつの頭をこづいた
…間に合わなかった
こんな早く本性をさらすとは…
わたしは軽くおちこんだが
先生は笑顔で
「じゃあ、入園までに持てるようになろうね」
と、言ってくれたのだった
ありがとう、先生
4月に入園したらむすめの担任でした
田舎のまちのアパートに住んでいたころ
その日はめずらしく
わたしが一番最後まで起きていたので
居間のテレビや電気を消して
寝室の布団にはいった
しばらくすると…
ゴーッという、低く響く音が
どこからともなく聞こえてきた
ここは田舎なので
夜には何の音も聞こえてこないくらい
静かなのだが…
少しすると音は止み
またゴーッと鳴り始める
よくよく聞いていると
どうやら居間から聞こえてくるようだ
わたしは居間にもどり
そっと電気をつけた
一瞬、音は止んだが
ふたたびゴーッと鳴り始める
音のする方へ近づいてみると…
我が家のハムスターが
回し車にのって走っていたのだった
最近、プラスチックから
木製の回し車に替えたため
こんな重低音な音になっていたようだ
しかも加速が凄いようで
少し走ると回転についていけなくなり
逃げるように回し車を降りて
止まったらまた乗り込んで走るを
繰り返していた
部屋が暗くなったので
活動開始!と小屋から出てきたのだろう
わたしは電気を消して
回し車に翻弄されるハムスターを
しばらく眺めてから
寝室へ戻っていったのだった
音がうるさくて
眠れなかったが…