おきゃがれこぼし

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9/26/2025, 10:52:43 AM

コーヒーが冷めないうちに

 給湯室のお湯はいつも98℃だ。だから、みんなドリップコーヒーを淹れる時、初めの数回はお湯を淹れて、最後に水道水で温度を調整している。だったら初めから低めの温度に設定すればいいのにと思うが、お昼休憩にカップラーメンなどを食べる人たちもいるので、それも出来ない。

 今日、その給湯室で君が話しかけてきてくれた。猫舌だから、水を入れないとコーヒーが飲めない、喉がイガイガするから何か飲まないわけにもいかない、そうボヤいている。周りから少し疎まれている君が、そんな風に話すのは初めてだったから、少しだけ新鮮だった。だからといって、君に特別な感情は持ったりはしないけど、いつも周りの女性陣に対して、ツンとしている君が、給湯室でボヤいている姿はちょっとだけ新鮮な感じがしたんだ。

 あまりコーヒーが冷めないうちに、喉のイガイガが良くなるといいね。

9/25/2025, 10:30:36 PM

パラレルワールド

 パラレルワールドとは少し違う概念になるが、「世の中には自分に似た人間が3人いる」という説がある。そんな非現実的な事を信じているわけではないが、それでも道端で「誰々さんですか?」などと見知らぬ人に間違われたりすると、自分に似た人間が他にもいるのかな?と思ってしまう。

 先日、母と行きつけの車屋さんに行った時のこと。とある年配の男性が、店内の自動販売機で飲み物を買っていた。紙コップが出てくるタイプの自動販売機だったため、男性は溢れないように両手で紙コップを持って席まで歩いていたのだが、その姿がウチの父にそっくりだったのだ。あまりにも似ていたので、母に、「父ちゃんにそっくりだ!」とクスクス笑いながら報告したら、「やめなさい!」なんて言っていたくせに、チラッと男性を一瞥して、「ホントだ!」なんて、自分も笑い出す始末。しばらくの間、僕と母の間で、その男性の話が出るほど、印象に残ってしまった。

 全然違う人なのに、言動などがそっくりだというだけで、こんなにも身近に似ている人がいるんだなと思う。

9/22/2025, 9:37:44 PM

cloudy

 ちょっとしたもやもやなんて、毎日している。例えば、車を運転していて、明らかに狭いであろう車間距離で、何事もないような顔をして後ろにつかれた時やコンビニの店員さんが、買った品物をマイバックに詰め終わるまで、こちらを見つめ続けてくれる時、散歩をしている時に、たまに犬を連れた方々とすれ違うのだが、犬たちの視線を感じて、そちらに微笑み返すと、飼い主さんが、リードを引っ張って、「行くよ」みたいな素ぶりをされた時など、日々の生活の中にはたくさんのもやもやが存在している。もちろん、そんな小さなもやもやを、いちいち気にしているわけではないが、これが、今の時代なのかな?と思ってしまう。

9/19/2025, 5:52:36 PM

秋色

 この時期になると、何故か幼稚園児が芋掘りをしている映像を多々、目撃する。かくいう僕も、幼稚園児だった頃の写真を見ると、自分の顔ほどもあるサツマイモを持って、満面の笑顔で写真に写っている。

 理由はいろいろあるのだろう。食べ物の大切さを知ってもらうとか、季節を感じてもらうためとか、芋掘りを通して農家さんと触れ合うなどなど、挙げればキリがないけど、幼稚園児にはそんなこと、きっと関係ないのだろう。みんなで美味しいサツマイモを掘り、それを後に食べることが出来る、それだけで充分、芋掘りを堪能しているに違いない。

 ここまで、散々と芋について記したが、どちらかといえば、僕は栗派だ。

9/18/2025, 5:32:35 PM

もしも世界が終わるなら

 もし、世界が終わる瞬間がわかったとしたら、僕は何をするだろうか。もし仮に「あと数時間で、この世が無くなります」とわかっていたら、どうするだろう。あくまでも仮定にはなるけど、きっと何もしないんだろうな。足掻いたところで、逃げ切れるものでもないだろうし。

 ただ1人だけ、会いたい人はいる。最期にそばにいたい人。その人に会って、いつものように他愛ない話をしながら最期を迎えたい。世界の終わりも自分の望みも、ほぼほぼあり得ないだろうけど、それだけで幸せな人生だったと思えるくらい、その人が大好きだ。

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