EMON

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4/18/2024, 7:51:09 PM

あなた色に染まっていく自分が嫌いじゃなかった。
むしろそうしたいと思える人に出逢えたことに幸せを感じていた。
あなたは私を染めておいて、他のキャンバスを染めることに夢中になったね。
あなたが塗り続けてくれないから、私はどんどん色褪せて、色が抜け落ちていったよ。
塗りつぶされていた壁が無色透明になって、あなたの心がよく見える。
もう真実を見ないように自分で心を塗りつぶすのは疲れたよ。
どんなに華やかな色を沢山足してみても、調和を失った色達は暗くよどんでいく。
ふと横にあったキャンバス。
何も描かれていない真っ白なキャンバスが、今の私にはひどく眩しく見えた。

4/16/2024, 1:14:49 PM

私が夢を叶えるために受験した高校に、私の息子が違う夢を叶えるために通いたいと受験勉強をしている。

受験勉強のことなんて何も言ってこなかった両親。
でも私が欲しいと言った勉強のための教材は必ず買ってくれた。
息抜きも大事だよと深夜たまに車で近所にあった屋台のラーメン屋に連れて行ってくれた母。
肌寒い中湯気の立ち上るラーメンを一緒にすすったことをたまに思いだす。
ラーメンと一緒に必ず買ったほろ温い天むす。今でもあの味を超える天むすには出会えない。

月日は流れ、あのラーメン屋も無くなってしまった。
この子にとって、私が温もりと優しさをもらったあのラーメンと天むすのような存在になってあげたい。
親になった今なら分かる、ただ信じて見守るということがどれだけ忍耐のいることだったか。
今日はこの子のために、優しい味の夜食を用意してあげよう。
せめてあの夜の、湯気の向こうに見えた微笑んだ母の優しさを真似て。