【夜を待つ理由】
雨が降りそうだけど夜が来るのを待っている
ほら、ずっと向こうにネオンの灯りが見えてきたよ
君の行った遠い街の明るい灯り
降り出した雨にけぶりながらも輝いている
おやすみを言うタイミングを逃しそうなくらい
明るく輝いている
君はどうしているのだろう?…
気になるけれど、
灯りに背を向けてこうもり傘をさす
確かめに行く勇気はないから暗い
僕の街へ戻ってこうもりになろうと思う__
#遠くの街へ
【ひとしきり追いかけたら…】
何でもないを装って
手のひらの中で流れてゆく
どうでもいい動画(もの)を
ただただ追いかけている
ホントはすごく傷ついているのに
認めたくなくて
ただただ追いかけている
追いかけても追いかけても
何も良くはならないけれど
ひとしきり追いかけたら
傷口に絆創膏を貼るくらいのことは
しようと思っている_
お題:現実逃避
【してほしいではなくて...】
カーテンを開けてふと優しくありたいと思った今朝の空は憂いを帯びた曇り空。昨日の雨はどうにか上がりこれからは晴れ模様。きっと少しだけ春の匂いを含んだ空気が優しさを求めさせるのであろう...
何に対してなのかはわからないけれど、「してほしい」ではなく、「そうありたい」というところが、たぶんポイントなんだ思う。
#物憂げな空
【脱力ラッキー🍀】
今日こそ伝えなければ...
と、拳を力強く握りしめていた昼下がり
ところが、春になりかけの陽ざしが優しすぎて何だかもうどうでもよくなってきて、このままここで野良猫を愛でながら春を待とうと思い至る。ベンチに座り直し、握りしめた拳をひらいたら、足元のクローバーの葉が四枚なことにやっと気がつけた。
#伝えたい
【I Love…冬日和】
I Love…
ストーブ猫の寝息が聞こえる午後
じっくり淹れた珈琲は深煎り
お供のクッキーはカントリー風
チョコチップ多め
蕾のスノードロップ頷く窓辺で
小さな足音を立てたのは
きっと、春。
お題「I LOVE …」