10/3/2024, 10:14:42 AM
『いつも通りの奇跡』
17時30分
地域放送の音楽が流れ、一日の終わりを告げた木曜日。
いつも通りの夕暮れに
いつものほうじ茶をいれて
久しぶりの雨の日の音を聴いていると
久しぶりに使った乾燥機の終了ブザーが鳴った。
何でもない日だけど、「何でもない」が、実は、ほぼ奇跡だなんて、ずいぶん、大人になってから知りました。
でも、いまだに実感がないから、何でもないこと(幸せ)を、つい、「何もない(つまらない)ことですのよ」と卑下したように言ってしまいます。
だけど、それはちょっとした社交辞令の一つだったり、場面によってはその方が円滑だと残念ながら思っているのできっとやめられない。
奇跡をもう一度なんて叫ばなくても
実は奇跡はそのへんにごろごろしていて
ひとはそれに気づかないだけなんだよ
…というような、子供の頃読んだ物語を思い出したけれど「そうは言ってもねえ〜」と思いながら冷めかけたほうじ茶をまたすする。
猫舌なので…。
#奇跡をもう一度
7/16/2024, 9:00:13 AM
神さまリセット
箱庭を眺めため息をつく
また争いになり世界が壊れてしまいそうだ
ならば終わりにしよう
その人はもう一つため息をつき
箱庭を崩し始めた_
/終わりにしよう
7/8/2024, 8:20:16 AM
【星に願いを】
願いごとを書いた短冊が
ぬるい夜風に揺れている
闇を忘れたアーケード街のきらめきが
天の川の星々を残らず喰ってしまった
そんな、都会の空に、
何の期待もしてないのに
ふと手渡されてしまった短冊に
ぽつんとした願いごとをしたためた_
/七夕
7/7/2024, 5:48:13 AM
【思い出は還らない】
あの時、埋めた宝箱をひとりで掘り返す
箱を開けると懐かしい香りのする品々と共に
一緒に開けようと約束した君から
未来の僕に宛てた手紙
それがほろ苦くて
滲んでなくなってしまいそうな視界を
繋ぎ止めるようにぐっと力を込めた_
/友達の思い出