吹かぬかも知れぬ秋風を待っています。
季節ハズレの台風の影響かしら?
と、曇った、湿り気のあるぬるい一日。
天気予報は今日も「季節外れの…」とお馴染みの慣用句から始まった。
もはやこれが「平年」なのでは?
とイケズな気分でひとりツッコミの夕暮れ
秋風は吹く間もなく冬が来そうで
とりあえずホットカーペットでもと出してみたけれど
こころの隅っこではまだ秋を待っている_
#秋風
『いつも通りの奇跡』
17時30分
地域放送の音楽が流れ、一日の終わりを告げた木曜日。
いつも通りの夕暮れに
いつものほうじ茶をいれて
久しぶりの雨の日の音を聴いていると
久しぶりに使った乾燥機の終了ブザーが鳴った。
何でもない日だけど、「何でもない」が、実は、ほぼ奇跡だなんて、ずいぶん、大人になってから知りました。
でも、いまだに実感がないから、何でもないこと(幸せ)を、つい、「何もない(つまらない)ことですのよ」と卑下したように言ってしまいます。
だけど、それはちょっとした社交辞令の一つだったり、場面によってはその方が円滑だと残念ながら思っているのできっとやめられない。
奇跡をもう一度なんて叫ばなくても
実は奇跡はそのへんにごろごろしていて
ひとはそれに気づかないだけなんだよ
…というような、子供の頃読んだ物語を思い出したけれど「そうは言ってもねえ〜」と思いながら冷めかけたほうじ茶をまたすする。
猫舌なので…。
#奇跡をもう一度
神さまリセット
箱庭を眺めため息をつく
また争いになり世界が壊れてしまいそうだ
ならば終わりにしよう
その人はもう一つため息をつき
箱庭を崩し始めた_
/終わりにしよう
【星に願いを】
願いごとを書いた短冊が
ぬるい夜風に揺れている
闇を忘れたアーケード街のきらめきが
天の川の星々を残らず喰ってしまった
そんな、都会の空に、
何の期待もしてないのに
ふと手渡されてしまった短冊に
ぽつんとした願いごとをしたためた_
/七夕