#110 空色に重ねるセンチメンタル
誰も知らないけれど、
私の視線の先にはいつも彼が居た。
でも、彼の視線の先にはいつもあの子がいる
そして、おそらくあの子も彼と同じ気持ちのように見える。
残念ながら、私と彼は一度も視線が交わることはなかったし、この先もずっとなさそうな気がしていて、
2人の間に割り込んで自分の気持ちを伝えるだけ伝える「ダメもと」もアリかもしれないと迷っていると、
「そこまで頑張るほどのことかしらね〜?」
賢いふりをしていたい自分がささやいた。
.....
誰にも悟られないよう
ふぅっとため息をついて
こっそり抜け出して屋上に出る。
久しぶりに『彼』を視線から外すと
その視線の先には梅雨明けの空
昨日までの梅雨空を夏が押しやったばかりでまだはっきりしない水色の空。
でも、きっと来週になれば
コバルトブルーの夏空になるのだろうね。
私はエイッと空に向かってひと伸びをすると
空色に重ねたひとときのセンチメンタルを屋上に置いてオフィスに戻っていった。
まだまだ賢いふりを続けていたいから...。
お題「視線の先には」
#109
誰にでも秘密はある
例えば、私だけが知る私
とか....
「私だけ」
#108
クーラーで
冷えたからだを
溶かしつつ
ひと雨欲する
真夏の青空
お題「空を見上げて心に浮かんだこと」
#107
さよならを
LINEで済ませる
ドライな君
既読スルーの
喪心の僕
お題「1件のLINE」
#106 人生の最適解
「それって当たり前じゃない?」
と押し付けられる価値観はキライ
なのに、
「そうそう、そうだよね~」
と気づかれないようにそっと
自分の当たり前を塗り替えていた
自分を守るために
でも、だんだん
元の自分の当たり前がどんなだったのか
わからなくなって
そして何よりも自分自身がとても気持ち悪い
もう塗り替えるのはやめにしよう.…
そうしたら、
「どうしちゃったの?最近ヘンだよ」
ってグループからも外されちゃったけど
プチ仲間外れの自分の方が爽快だった。
そして、
そんな変化も受け入れてくれた友達は
あの時からずっと変わらず今も友達だから
きっとあれが人生の最適解だったんだ。
お題「私の当たり前」