ゆきやなぎ

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3/26/2023, 12:49:14 AM

#63 考察・半世紀分の「好きじゃないのに」

半世紀生きてきて
「好きじゃないのに」はいくら時間をかけても
「好き」に昇格することはなかったです。
(嫌いな食べ物を一応食べられるようになったけれど好きな食べ物にはなっていないし...?)

ただ、現実は
好きじゃないのに、

続けている付き合い
食べているもの
習慣にしようと努力していることなどなど

「好きじゃないのに」していることは
まぁまぁあります。

何故、好きじゃないのにそうしてるかというと
そうしているといい事があるらしい...という噂や
そうすべき的な常識や
単純に大人の事情だったりするわけです。

ただ、限られてきた人生の時間

世間さまが好きなものが
自分も好きとは限らなくて
自分の好きに対する臭覚をもっと信用しても
いい〜んじゃないって思うんだけど

どうかしら?

お題 「好きじゃないのに」

3/25/2023, 9:52:38 AM

#62 雨男の朝

今日の天気は晴れ
ところにより雨が降るでしょう

お天気お姉さんがにこやかに伝える

ところによる...か、
雨男の僕は今日も傘を持って
でも、レインコートはいらないかな...

雨男は毎日荷物が多い

お題 ところにより雨

3/24/2023, 8:42:22 AM

#61 水槽の人魚姫

透明の大きな水槽に居る
特別な存在の私は
何の不満もなく
ずいぶん前からここで過ごしている

「かわいそう....」
水槽の外から見学者の声がした

バシャッ!

尾びれで水面を叩いて激しく水しぶきをあげると
さっきまで私を不憫に思っていた人たちは
眉間に皺を寄せ離れていく

自分の物差しで測れないものを
「かわいそう」と思うことで
自分の不自由さを曖昧にしている
君らの方こそかわいそうだよ。

私は去っていく人間を見送りながら心の中で呟いた。

実はこの水槽は海と繋がっていて
自由に行き来できるけれど
私は自分の意思でこの水槽にいるのだ。

「ほどほどに頼むよ。今日も元気かい?」

私の特別な人の声がした。
施設の作業着を来たその人は
水槽越しに優しく笑っている。

私は嬉しくてその人の近くに寄った。

水槽から海に続くゲートを開いてくれたのはこの人なのだ。逃してくれるつもりだったらしいけれど、
逃げない私を不思議に思いながら、毎日こうやって水槽のガラス越しに私を気遣ってくれる。

....

この人と出会い
海の魔女と契約して
約束の40年が経とうとしている

魔女に声を預けた40年間
彼との「縁」が切れなければ
私は声を一時的に取り戻し
自分の気持ちを伝えることができる。
そして、思いを受け止めてもらえれば
尾びれが足となり私は人間になれるのだ。

歳を重ねた彼は頭に白いものが混ざり
笑うと顔がしわくちゃになってしまうけれど
美しい瞳は40年前と同じ

何も変わらない。

彼はもうすぐ「テイネン」というものを迎えて、この場所を去らなくてはならないらしい

そして、最近、「リコン」というものをしてひとりぼっちになってしまったそうだから
今、お相手はいないに違いない。

ちなみに、リコンの原因は性格の不一致というものだそう...

寂しそうに話してくれた。

最初で最後の
そして、最大のチャンスが来ようとしている

初めて会った時から好きでした。
これからもずっとそばに居させて下さい。
あなたは私の特別な存在です。

時が満る今夜
40年分の思いをあなたに伝えよう。
思いが通じなかったら
この水槽の中で泡となって消える覚悟は
とっくにできている。

お題 特別な存在

3/23/2023, 7:27:27 AM

#60 馬鹿を見たことについての内省

ずっとこんなにも一生懸命だったのに
浮気されたあげく
あっさりと別れを切り出された

このやろー!!
と泣きじゃくりながら蹴りを入れたい気持ちを抑え、
気持ちが離れたのであれば
どのみち仕方のないことだと自分に言い聞かせる

何というか
「性分」と言えばそれまでだ。

ジタバタと足掻くのはみっともない...と
どこで仕込まれたのかわからない常識が
こんな時は私を支配する。

そして、こんな時こそ
どういう訳か
物分かりのよい大人を気取りたいのだ。

.....

あぁ バカみたい
空に吐き捨てた言葉が墜ちてくる。

あぁ 馬鹿を見た

そうだ、私は今、馬鹿を見ている。

次もまたこんなことがあったら
絶対!絶対!めんどくさい女になってやるっ!!
と空に強く誓った___

(今誓うべき方向性は
そうではないような気もするけれど...)

お題「バカみたい」

3/22/2023, 9:12:39 AM

#59 短歌

花冷えの
二人ぼっちで
暮れる日は
何故か優しく
何故か温か

お題「二人ぼっち」

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