泣かないで
『泣かないで』
何度もそう叫びたい
私の「辛い」を覆い隠すから
それでも、絶対――
『無かないで』
私より先に逃げないで
私の「覚悟」を踏みにじるから
だから、絶対――
『泣かないで』
太陽の下で
太陽の下 草原の上
私は息をした
まるでその中で
生まれたような
忙しい心が木霊する
太陽の下 草原の上
私は瞳を隠す
まるでその奥に
夢があるような
静寂な心が眠りだす
毎日同じ姿する太陽の下
私の目だけが火傷する
セーター
糸と糸で紡がれた服
その服は何度も糸が絡み合って
できた凍てついた体を暖めうるもの
人もまた等しく
人はまたちがう
温めることも凍えさせることも
できてしまうから
それでもセーターのように
雪降る冬の中、凍てついた心を暖める人に
私はなりたい
飛べない翼
ツバメ
君は美しい
飛べるかどうか知らぬまま
その翼羽ばたかせ飛べぬ才のない翼は
朽ち果て底へと落ちてゆく
飛ばぬが救いそんな訳もなく
飛ばぬ根性知らずは寒さに凍てつき
落ちてゆく
飛べない翼は落ちてゆく
だが落ち行く先が地獄だ
なんて誰が決めただろう
飛べなかろうと
飛べたかろうと
あるいは、翼が無かろうと
幸せか辛いかなんて決めるものじゃない
人も同じ
裕福だろうと貧しかろうと
天がどれ程優しかろうと
今がどれ程厳しかろうと関係無い
どんな肩書きがあろうと
幸か辛なんて定められる事などないのだ――
鏡の中の自分
自分でも危なっかしいよ。
相手を理解したい。
相手の理解者でいたい。
その気持ちはきっと誰にも負けない。
友達がリスカしてしまったと
苦しんでいたとき。私はリスカしてしまう
苦しみを理解するために、一瞬の躊躇いも
なくリスカをした。
親にバレたくない。
執着してやめられない。
そんな気持ち、理解できた。
それで、相手は満たされた。
でも一番満たされたのは私。
私は皆の鏡人形。
あなたと一緒。私は貴方の理解者だよ。
いじめられた?なら、私もいじめて貰うよ。
みんなに嫌われたって、なんともないよ。
死にたい?なら、私も死ぬよ。
死にたい気持ちも死ぬ未来も全部一緒。
相手に合わせないと。
そんなこと、思わなくていいよ。私が全部全部
合わせるから。そうすると私も満たされる。
だって、一番嫌われない方法だもの。
鏡の中の自分は、貴方たちのモノよ――