突然の君の訪問
連れ出してくれるの?
この地獄屋敷から、
わたしはそう訪ねるように、君の手を取る
ありがとう
来てくれて
救われたよ
来てくれて
ありがとう―
突然の君の訪問が私を救ってくれたんだ。
あのときの君はまさに、太陽だったよ。
「なーんて、そんな運命的に私を救ってくれる
ひとがいたらな、」
叶わない夢を口ずさんだ。
突然の君の訪問を夢見る部屋の中に囚われ、
親に縛られる私だった。
雨に佇む
冷たい針が降ってくる
傘を待ち望む心だけが燃えていた
ソラは灰色で 私の瞳も色褪せた
一つ 雫溢れ落ち 涙が頬をなぞって
二つ その一滴は 深々と流れてゆく
冷たい涙が降ってくる
この雨空の時だけ私は生きていた
クモは灰色で 私の心も色褪せた
三つ 雨の鏡見て 私は鏡の上で佇む
四つ 水面広がり 鏡にヒビが入ったよう
私はただひたすら 雨に佇んでいた
水の鏡がそう告げる 雨に佇む私は生きていた
やんだら雫と共に消えてしまいそう
だから その一時だけ
――雨に佇む――
私の日記帳
もう3年くらい書き続けてる
古びた3つの日記帳
過去を読み返すと辛いことだらけ
でもその最中には少々の幸せがあったり
望んだ人生じゃなかったし理想とは
まったくもって違った
でも地獄じゃなかったのかな―
やるせない気持ち
生きたいな―
幸せの輪のなかに今は入れたけれど、
もう生きられる―
でも、生きた心地がしないのはなぜだろう。
比べられて、追い込まれて、みんなの背中だけをみて生きてきた。
もっと、わたしがこうだったらって何億回も
繰り返す。
やるせないよ、生きたいよ―
海へ
微かな波音が木霊して
ほのかな塩が漂った。
暑さも知らない白波は
海にのって旅をする
街の向こうには海がある
彼方へと繋がる海がある
海へと願い 永遠なる海と戯れたい
海へと祈り 更なる旅路の1ページ
海へとむかい 打ち寄せる波を横目に
わたしは飛び立った