6/11/2024, 10:20:45 AM
街
街にはいつでも人が居る
昼はもちろん、早朝でも、真夜中でも。
そんな人通りの多い所では、時々おかしな人間のようなものを見る
半透明であったり、顔が渦を巻いていたり、明らかに生きた人間では無い人間のようなモノ。
街に先輩が居た。亡くなった先輩が。
くっきりと。まるでそこに生きているように。
気付くと私は先輩の手を握っていて、先輩の顔が歪んでいって
あぁ、本当に先輩はもうこの世には居ないんだ。
そう再確認してしまった瞬間、私の記憶は途切れた。
6/10/2024, 12:21:06 PM
やりたいこと
ベランダで煙草をふかしている彼女に向かって言う
「やりたいことってある?」
彼女は少々驚いた顔をしたがじきに口を開いた。
「…急にどうしたんだ?人間やりたいことなんて山ほどあるだろう?」
「毎日ぐっすり眠りたいし、タバコを沢山吸いたい。チョコ味のやつね。」
「あぁ、今はカップ麺が食べたいかな。辛いやつにたっぷりチーズを入れたのがおいしい」
……予想以上に答えてくれたので驚いてしまった。
「それで、君もやりたいことあるんだろう?」
「おまえと一緒に居れるなら、他のやりたいことなんてどうでもいいよ」そう言おうとして口をつぐんだ。
「そうだね…今は煙草を一本吸いたいかな」
「君の大好きなチョコ味の。」
5/27/2024, 12:15:03 PM
天国と地獄
「天国と地獄は本当に実在するのか」
「実際興味深いだろう?君だって気になるはずだ」
2人きりで下校してる最中にそんなことを言うものだから歩を止めてしまった
「…君が分からないなら僕にも分からないだろ」そう答えると彼女はにこりと微笑む。
「それもそうか。変なこと聞いてすまないね、帰ろう」
こうして今日もまた、とっくに交通事故で死んだはずの親友と下校する。