日差し
日差しは女子の敵だと聞いたことがある。そういう私も女だが、私は日差しが好きだ。でも日焼け止めがないときは地獄だ。でもあなたは優しく私に日傘をさしてくれたよね。周りの女子が日焼けをするなか、私だけがあなたに心を焼かれていたあの頃に戻りたい。あなたにはもう彼女がいるから。焼かれて黒くなる肌のように私の心は黒焦げになっていた。
窓越しに見えるのは
窓越しに見えるのは君の元気な姿だった。そして君は私に気づいてこちらを見ながらニコッと笑った。私はその顔を見ていると頬が熱くなっているのを感じた。すぐに顔をそらすと君は悲しそうな顔をしてどこかに行ってしまった。この病気が治れば君と面と向かって話ができるだろうか?そんな事を考えていると、君が手に何かを持ちながら戻ってきた。手に持っていものを私に見せると君は行ってしまった。廊下に出て置かれたものを見ると花束に手紙が添えられていた。そこにはこう書かれていた。「早く元気になってね」と私はその優しさに涙が出た。ありがとう私はそう書いた手紙を廊下においておいた。それが私と君の恋の始まりだった。
君と最後に会った日
君と最後に会ったのは月夜のきれいな夜だった。君が最後に言った言葉は「好きだけと別れよう」だった。気付いた時には涙が頬をつたっていた。僕は悲しくて何も言わずにその場を離れてしまった。少し気持ちの整理がついてからもう一度行くと君はいなかった。あとから聞いたが、君には持病があったんだってね。何も言わずに逃げちゃってごめん。僕があそこでなにか言えばもしかしたら未来が変わっていたかもしれない。そんなむなしいことを考えながら、僕はお酒を片手に君と最後に見た夜空を見上げる。あの時と同じで頬をつたってくる涙を零さないように。
繊細な花
繊細な花はすぐに折れてしまう。俺の心のように。どんなに折れまいと努力しても結局は折れてしまう。悔しくて悲しくて俺はいつまでも折れた茎を見ている。俺が生きていた証だと誇りながら。
子供のころは
子供のころは好きだった人も大人になると忘れてしまう。母も父も全部が邪魔だと感じてしまう。全部がいらなくて全てが色のない世界に放り込まれたみたいに周りが見えなくなる。暴言を吐かれてどんなに苦しいことでも子供のころは耐えられない。子供のころは親がいないと何もできない。そんなことはない。頑張れば何でもできる。だから僕は前を向いて歩いていくことを決めた。周りが見えないなら周りを切り捨てればいいそのときの僕は馬鹿だった。このあとどれほど後悔するか知らなかったから。