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5/26/2024, 11:28:35 AM

月に願いを

普通の人ならば月ではなく星に願いをを知っているはずだ。これは俺ら魔族しか知らないおまじないだ。このおまじないは魔族が人間を好きになったときに使うもので、新月と満月のとき、好きな人間のもとへ行き、その場で口づけを交わせばその人間は死ぬまでその魔族しか愛さないというものだ。そして今日は新月。俺は好きなな人間のもとへ行った。彼女は俺を見て「こんにちは魔族のお兄さん。私になにかご用でしょうか」と丁寧な口調で言った。そんな彼女に俺は強引にキスをした。彼女は驚いた顔をしながら真っ赤になっていた。そんな彼女はを見て俺は言った。「今度は満月のときに来る。それまで気長に待っとれ」そう言うと彼女は首を縦に振った。俺はそれを見届けてから、魔界へと帰っていった。

5/25/2024, 12:37:35 PM

降り止まない雨

俺の心の雨は止むことなく、3日降り続いていた。どんなに叫んでも声がかれようと、雨はやまなかった。全ての音が雨に溶け込むかのように聞こえなくなった。ただその大雨のなか、遠くなっていく人影が見えた。彼女だった。彼女は生きていた姿のままこちらを見て引きつったような笑いでこちらを向いていた。俺は言った。「どうしてあなたが死ななくてはいけなかったのですか」その声だけは雨に消されず、彼女に届いた気がした。そして彼女は言った。「そうゆう運命だったのですよ」その声はみょうに優しく、俺の冷え切った心に響いた。「さあもう泣かないで。顔を上げて、心の雨をやませてください」俺はその言葉の通りに流していた涙を引っ込めた。俺はこのとき再度理解した。もうすみれは帰ってこないのだと。信じたくなかったが、俺は受け入れるしかなかった。この悲惨な現実を。

5/23/2024, 11:37:39 AM

逃げられない

あなたの沼にハマってしまったあの日から。気付いたときにはもう周りが暗くて一生抜け出せない深い沼だった。「助けて」と叫んでも周りに吸収されてしまう。何度も叫んだが、無駄だと分かり、叫ぶのをやめた。でもズブズブと足が抜けなくなっている。そして肝心の彼は気づいていない。私があなたの沼にハマっていることを、あなたは一生気づかないのだろうか。そうなると私はどうやってこの沼から抜け出せばいいのだろうか?

5/21/2024, 11:23:28 AM

透明

大人は助けてくれる。そんなきれいごとほざいてる奴らに何ができるのか?何もできないから自殺や一人で抱え込む人が多くなる。そんな私も昔は心が透明だった。でもある男の子が「死ね、消えろ、ブスそう言われて私の心は黒く滲んでいった。ある時母にこんな事があったんだ。いじめられてるんだ。そう言うと母は泣きながらその話を聞いてくれた。その時私の心が昔の透明に戻った気がした。その後も悪口をたくさん言われたが、そのたびに母に心をきれいにしてもらった。でもそんな優しかった母はもういない。今私の心は黒い。でも一部だけいつまでも真っ白で透明な部分がある。その理由は、あのとき一緒に泣いてくれた母の顔がそこに残っているから。そしてあの顔は一生忘れられない母の顔だろう。いつまでもいつまでも。

5/20/2024, 11:53:37 AM

理想のあなた

私の理想は、かっこよくて、背が高くて、優しい人だ。ある日どストライクな人に出会った。でもその人は男の人でなく、女の人だった。いわゆる百合だ。でもその人にあったとき今手放してしまったら一生こんな人に会えないと思った。それから何度か会い、思い切って告白した。その人は「私女だけどいいの?」と聞かれたが、私の答えは一つだった。でもその人はもういない。そしてわたしたちは約束した。「来世では恋人になろうね」同時に飛んだがアスファルトについたあと目を開けると私は死んでなかった。あわてて横を見ると頭から血を流したあの人がいた。「どうしてあなただけ神様私も連れて行ってください。」そう言っても身体に痛みが走って救急車で運ばれた。あの人は即死だったらしい。私が棺桶に入ったあの人の顔を見るとあの人は最後まで笑っていた。私はつぶやいた。「私はあなたの笑った顔が好きだったよ」

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