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10/25/2023, 12:18:38 PM

私には最近できた友達がいる。いつも黒い三つ揃いのスーツを着て、左耳には少し派手なピアス、髪は茶髪混じりのオールバック。身長も私よりめちゃくちゃ高く、そのうえ年齢も10個上。友達だと言っていいのか迷うくらいだが、彼はそう言って欲しいらしい。

だからしばらくたった頃、思い切って家族に紹介した。すると何を勘違いしたのか、娘はやらん!!と父が怒り出し、母と妹はお祝いだと騒ぎ始めてる。その様子を見てた彼は、なんだか嬉しそうに笑っていた。




俺には最近できた彼女がいる。俺より10個下で、朝は大学に行き、夜はバイトと幼い妹や家族の為に、忙しい日々を送っているようだ。彼女にはあえて友達と呼ばせているが、俺の中では彼女である。もちろん告白は...していない。もちろんちゃんと近いうちするつもりだ。

だが、その前に俺の素性を知ってもらおうと、親父やその周りの者達に紹介するため、家に連れて行った。すると彼女は何を驚いたのか、目を回しその場で倒れてしまった。その様子に親父はケタケタと笑い、周りの者は急いで部屋へと彼女を運んで行ってしまった。

10/24/2023, 11:38:07 AM

俺は今まで恋愛なんてしたことはない。女なんて皆、その場しのぎの道具でしかなかったからだ。派手に着飾り、濃ゆい化粧をし、きつい香水を纏い、己の欲望のまま男に媚びへつらっていた。そんな女達を俺は利用するだけ利用し、終わればまた新しいのに変える。それの繰り返しだった。

だがこの女は違った。派手に着飾ることもなく、媚びへつらうこともなく、誘惑の言葉にさえ聞く耳を持たなかった。その時俺は、初めて恋というものを知り、今まで付き合っていた女達とは関係を全て断ち、彼女に振り向いてもらおうと、あの手この手と必死になっていた。

だが彼女はするりと全てを交わし、一向に振り向いてはくれなかった。諦めたくない。失いたくない。行かないでくれ。消えないでくれ。俺の全てをかけて、お前を愛し守るから...