眠りにつく前に見る鏡の中の自分が哀愁を誘う。
何も考えず横たわり、一日を静かに終える。
朝になり、カーテンの隙間から一筋の光が差す。
今日は薄曇りに柔らかい雨が降っている。
少し前まで一緒に過ごしていたあなたとわたし。
とても長い時間。
あまりにも普通に終わってしまった。
まるですべてが意味がないことだったみたいだと脳裏に浮かぶ。
道路向こうの川べりのススキは柔らかな雨と日差しを受けている。
こんな歳から何をするっていうんだ。
飛べない翼。
いやそんなものそもそもないか。
跡形もなく抜け落ちてる気がする。
後の人生をどう過ごすのか。
もうすぐ枯れ野原となるだけだろうススキ野を、ただ見つめる。
140作突破記念
「飛べない翼」
前回 11/2 130作目。
10作ごとぐらいにしている。
これまでのタイトルを並べて繋げたもの。
内容は続いていない。
インターバル的なもの。
月光に照らされて、ススキ野原は銀色に光る。
ところどころ金色のセイタカアワダチソウが揺れる。
カサカサッ
子狐が出てきて、前足を揃えて白い月を眺める。
後ろの方で、ススキを超える高さで大人の狐がぴょんっ、と跳ぶ。
お母さん狐だ。
カヤネズミでも獲っているのだろう。
どこかでアオサギがグワーッと鳴いた。
「ススキ」
ビビビッッ
ズガーンッ
ズキューンッ
恋する脳内 宇宙戦争。
「脳裏」
6:30
あいつを起こす。
2階から下りてきてリビングで二度寝をする。
7:00
再び起こす。
支度を始める。
1回目起こすのいらなくない?
7:00に起こすでよくない?
何度か聞いたが、
いや、6:30で。
と返ってくる。
なんとなくわかる。
1回目に起こすの、むだなようでたぶんむだじゃないんだろう。
その30分はスムーズに起動するための必要な時間。
でもこれが毎日だから…
というかそもそも自分で起きてくれないかなあ。
目覚ましじゃ起きないんだよなあ。
めんどくさい…
「意味がないこと」
寂しがりやのあなたが、わたしの気持ちをほしいと言うのなら
あげますよ。
寂しいから、温かみをもらえるならどこからでもいいとして、
わたしにとってあなたは好ましい存在ですからね。
でもあげれる程度はあるので
あなたはきっとそのうち足りないと言い出し、そして足るほどにもらえないとやはり寂しいと言うのでしょう。
「あなたとわたし」