sunao

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9/21/2024, 12:58:49 PM

ツバメたちがいなくなった。
青空を見上げて思う。
おいしそうないわし雲。

エノコロ草の揺れる草むら。
通り抜けるとひっつき虫がたくさんぼくの黒い毛についてしまう。

だからぱりぱりぱりと足で掻いてある程度落として、シロちゃんの家に行く。

ニャウー

縁側から降りてすりすりっと擦りつく。
チリチリチリッ
首の鈴が鳴る。
飼い主さんをちらりと挨拶するように見て二人で出かける。
浅く水の流れる川まで行って喉を潤し、バッタをつついたり、木や草の陰で過ごす。

日が傾いてきたらももいろに焼き上がったいわし雲を見て、
そのうちぼくの目の色みたいなまるい月を並んで眺めて
そろそろ帰ろうか。
そう言ってお家まで送ってお別れをする。




「秋恋」

9/20/2024, 1:35:14 PM

セミの死体と思しきものにはさわらない!
これは忘れないように、大事にしたいこと!
死んでるかどうかなんてわからないんだから!
セミファイナルがこわい!
心臓にわるい!



「大事にしたい」

9/20/2024, 2:35:57 AM

時間を止めたら、降ってるものの動きも止まる。


例えば冬なら

降ってる雪の動きを止める?

そしたら地面に着く前の雪をガラスの器によそって、シロップをかけて、かき氷にして食べる?

きっとお腹がいたくなるね。


春なら

地面に着く前の桜の花びらをたくさんとって、
桜茶のために塩漬けにする?


夏なら

雨を止めて…

止めてもその中を歩いたらけっきょくずぶぬれ。
止んでるうちに止めたいね。


秋なら…

落ち葉の掃除が楽になるのかな?




「時間よ止まれ」

9/19/2024, 12:18:33 AM

月は大気がないから一日中空が黒い。

その中で地球は一番大きくて、いつもだいたいおんなじ場所に見えてる。

夜の地球は、暗闇に金色の粒々がちらちらしててとてもきれい。
ぜんぶ昼の地球も、ぜんぶ夜の地球も、その間の地球も、ぜんぶきれいだと思う。

ラピスラズリみたいな瑠璃色の地球は、たくさんの星空の中を、オルゴオル仕掛けみたいに、ゆっくりと回る。


僕らはたまにボートに乗って、もっと近くから地球の夜景を見に行く。

夜の地球の上にいると、金色の粒々の海の上にいるみたい。
所々光が集まっていたり、線になっていたり。

そうして僕らは旅を終えて、また銀色の星に戻る。



《月のうさぎのノートより》




「夜景」

参考 : 9/11「カレンダー」
   9/17「花畑」

9/17/2024, 2:26:44 PM

一昨日、餅つき用のお米をもらいに地球に行った。


「くださいな!」

そう言うと、おじさんが、ちょっととまどったようすだったけどお米を持ってきてくれた。

2つに分けられたお米を、僕たちのリュックに入れてくれた。

帰ろうと思ったら、
たくさんお花の咲いてる大きな花だんを見つけて、
きれいなのでじいっと見ていたら、おばさんがきて、
「持っていくかい?」
と言うので、大きくうなずいた。


「これがコスモス
 これがセンニチコウ
 これがサルビア
 これがススキ」

根っこごともらったお花たちを、あちこちの小さめのクレーターにお水をためて散らばして植えていた。

「お花畑だ!」

満足そうなうさぎ。

もう一羽のうさぎがふふふっと笑った。

「あれはさー、もうねだってたよねー。
 あんなにじっと見て。」

「そーお?」

そよそよと揺れる草花。

「…きれいだね。」

「うん。いい、十五夜だね。」

うさぎたちの瞳に映る草花たち。

「さあ、雲がもう少ししたらまた晴れるよ。
またひと仕事しなくっちゃ。」

「うん。おもち!おもち!」


みなさんは今日のお月様、見ましたか?




「花畑」

参考 : 9/11「カレンダー」

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