sunao

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ツバメたちがいなくなった。
青空を見上げて思う。
おいしそうないわし雲。

エノコロ草の揺れる草むら。
通り抜けるとひっつき虫がたくさんぼくの黒い毛についてしまう。

だからぱりぱりぱりと足で掻いてある程度落として、シロちゃんの家に行く。

ニャウー

縁側から降りてすりすりっと擦りつく。
チリチリチリッ
首の鈴が鳴る。
飼い主さんをちらりと挨拶するように見て二人で出かける。
浅く水の流れる川まで行って喉を潤し、バッタをつついたり、木や草の陰で過ごす。

日が傾いてきたらももいろに焼き上がったいわし雲を見て、
そのうちぼくの目の色みたいなまるい月を並んで眺めて
そろそろ帰ろうか。
そう言ってお家まで送ってお別れをする。




「秋恋」

9/21/2024, 12:58:49 PM