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7/14/2024, 6:07:51 AM

私は天才だ。
いや………天才『だった』。

小学生の頃は勉強なんかしなくたって学校のテストで100点をとれた。塾の模試だって大した対策もしていないのにランキングは上位3位に入っていた。
なのに中学生になった途端。私の周りは他にも天才なんかたくさんいた。秀才もいた。つまり私は井の中の蛙だったのだ。

そこで1度全力で勉強をしてみた。中間テストでは初の全教科100点満点を叩き出した。正直、当たり前だと思った。だって私は天才なのだから。
でも同じクラスの"あの子"は勉強を全くせずに全教科90点以上だった。私よりは褒められていなかったけれど、『全力で勉強して全教科100点満点』と『全く勉強せずに全教科90点以上』だと圧倒的に後者の肩書きの方が欲しい。私はとてつもない劣等感を覚えた。

だから私は3つの条件を自分に課した。
1つ、テストは必ず高得点、もしくは高順位なこと。
2つ、勉強はあまりせずに『天才』であり続けること。
3つ、










2つの条件を達成する為ならば、どんな手段でも使うこと。そして、それを周囲にバレないよう実行すること。
───────────────────────

「どう?これが本当の私。思っているより下衆だし、性格が悪いし、策士なのよ。」

目の前でこちらを睨む"あの子"を横目に私は淡々と話した。"あの子"がいなくなれば私はもっと学校で天才になれる。

皆が私を慕い、敬い、羨む。でもそれは私の才能だからしょうがない。だって私は『天才』なのだから。

───ああ、そうだ。確か、この気持ちは優越感という名前だった。

そう思いながら私は条件を達成する為、"あの子"の胸を突き刺したのであった。

4/28/2024, 8:01:55 AM

私が生きてる意味。

そんなの無い。

強いて言うなら、親が産んでくれた命を絶やさずに繋げていること。
他に意味なんてない。


だから、探すために今を生きる。

もしかしたら私のおかげで人が助かるかもしれない。
もしかしたら私のしたことで世界が変わるかもしれない。
もしかしたら私の存在が誰かを勇気づけるかもしれない。

この、『もしかしたら』で私は生きていける。
それ以外でもそうだ。

空を見上げてごらん。夕日が綺麗。子鳥のさえずりも聞こえる。風がざわめく。

生きてる意味は無い。でも、死ぬ意味もない。

今の世界は心地いい。

だからさ、今をずっと、生きてみようよ。

4/20/2024, 1:41:23 AM

未来の妹は、きちんと立派な大人になれているかな?

未来の社会は、悪いやつを倒しちゃうような立派な世界になっているかな?



未来の僕は、幸せに暮らせているかな?



今の僕は学校に行ってはぶたれ、家に帰ってはものを投げられ、生きていることを後悔している。

でも、大好きな妹がこうなることが1番辛いから、このままでいいんだ。

───でもやっぱり、未来への期待しか出来ない今は大嫌いなんだ。

4/15/2024, 12:57:21 PM

今日はバレンタインデー。私は毎年、片思い中の彼に匿名でチョコをあげている。友達と一緒にチョコを作って、丁寧にラッピングして、『大好きです』の言葉だけを添えた手紙を書いて、彼の下駄箱に入れる。小学校から高校まで彼を追いかけてきた。彼への気持ちなら誰にも負ける気がしない。

直接渡せばいいと思われるかもしれない。でも、私は地味女で彼は優しい陽キャ男子。この思いは届かない。だから、こんなちっぽけな私が出せる最大の勇気がこれなの。バレンタインデーだけの、私の思い。

朝早く登校して下駄箱にチョコを入れ、そそくさとその場を去る。
しかし、彼女は気づいていなかった───


『………あれ、この字───』

4/15/2024, 8:22:17 AM

かみさまへ。かみさまはほんとうにいるのですか?わたしは、まいにちかみさまにおいのりをささげています。あめのひも、かぜのひも、きょうかいにいっていのっています。でも、がっこうではいじわるばかりされます。くつをかくされたり、ものにらくがきされたり、たたかれたり。わたしはこれがとてもいやです。これはかみさまがわたしにくれたしれんなのですか?それとも、ほんとうはかみさまなんかいなくて、わたしはまいにちそんざいしないものにいのっているのですか?

つらいです。かみさま、ほんとうにいるのならわたしをたすけてください。



────これは、数年前に十字架を胸に突き刺して自殺をした少女が書いた最期の日記である。

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