好きです。
知ってる。
ちぇっ。
こらこら。
待っててよ。次こそは。
ああ、次こそな。
今日もまた踏み出せなかった。
あと一歩踏み出せばそこにあるだろう幸せを
この臆病者は何度掴み損なったのだろう。
次こそ、次こそは。
すまない。その時まで
君も待っててくれ。
待ってて
これでもかとふわふわに泡立てられたカフェオレを
ちょっとずつ味わう君。
鼻の頭に置き去りにされた泡には気付かない。
教えるなら今だがこんな君はなかなかレアだ
可愛いすぎてもうちょっと眺めていたい。
いやでもしかし
顔を赤くして恥ずかしがる君も絶対に可愛いから
やっぱり言ってやろう。
からかいすぎるときっと怒るだろうけど
その顔もまた可愛いと
伝えたい
君と出会った時のことを覚えているよ。
春の優しい風を運んできてくれた女神のようだった。
そうそうあの店で君は好きなことやものを話してくれた。でも俺は可憐な君に夢中で話がほとんど頭に入って来なかった。このまま時が止まってほしいと思ったよ。
初めてふたりきりの夜を過ごしたとき君はいっとう可愛かったな。子うさぎのようにぷるぷる震えて俺にしがみついてさあ。もう。
ああそうだな。そうだとも。
すきだよ。あいしてるよ。きみがだいすきなんだ。
もういい。もうわかったから。帰ろう。
やめてくれ。見せ物じゃない。
覚えていろ。この酔っぱらいめ。
明日はあんたが辱めを受ける番だ。
この場所で
誰もがみんな君の才能と美しさに嫉妬しているのさ。
ああ慰めなんかじゃない。
そして誰もがみんな俺を羨んでいる。
君とこうして抱き合えるのだから。
俺なら平気だよ。
こんなかすり傷程度で君を独り占め出来たんだ。
だからほら泣かないで。笑っておくれよ。
世界中の誰もがみんな優しい君の笑顔を望んでいる。
本当さ。
誰もがみんな
どうしたんだ急にこんな。
花を渡すのはそういえば初めてだ。
これはなんというかどんなプレゼントや言葉より気恥ずかしいかもしれない。
あれ、ひょっとして君もそう?
水を入れたグラスにうつされた赤いバラはこの部屋から少し浮いている。
うれしいよ。ありがとう。
今度はバラの花束を贈るよ。
100本以上のでかいやつ。
それは、ちょっと困りそうだな。
じゃあまずは7本だ。これで8本。
そのあとで100本。これで108本。
きっといつか近いうちに。
花束