「風邪」
夏の初め、私は喉の風邪を引いた。
口を開けて寝た為に使い始めたばかりのエアコンに喉をやられてしまったのだ。
唾を飲み込むだけでも激痛が走る。
一人暮らしの体調不良に心細くなっていると、
ピコンと、1件のメッセージが届いた。
あなたからだった。
「最近連絡ないけど大丈夫?元気?」
「風邪ひいちゃったよ、喉痛い。あなたは元気?」
「僕は元気だから心配しないで。
最近、頑張ってたからね。僕知ってるよ。
毎日遅くまで残業して、人間関係も辛いのに
頑張って耐えてたこと。知ってるよ。
無理しちゃったんだね。だからその分ゆっくり
体を休めてね。本当は今すぐ行ってあげたいけど、
できないから、その分自分を労るんだよ。
お大事に。心細い時はいつでもメッセージとか
電話してね。」
風邪の時くらい、あなたにたくさん甘えたい。
そんな言葉を飲み込んで私は眠りにつく。
またあなたと元気に遊べることを夢見ながら。
「雪を待つ」
私は雪が嫌いだ。寒いし、道路状態は悪くなるし、交通機関にも影響が出る。
でも、出会って最初の冬、あなたと雪の日に雪だるまを作った時から雪も嫌いじゃなくなった。
今年はいつあなたと雪遊びができるだろうか。
「イルミネーション」
あなたと初めて2人で出かけた日。
去年の12月の初旬。
私のリクエストで湖畔にある公園のイルミネーションを見に行った。
綺麗だとはしゃぐ私の手をあなたは優しく握る。
初めて手を繋いだその時、
私の心にも灯りが灯る。
「愛を注いで」
あなたの大きな手が私の頭を優しく撫でる。
そこから何か温かいものが私の中に流れ込んでくる。
あなたは優しい顔をする。
あなたから注がれる愛を感じる幸福の時。
あなたが私からの愛を感じるのはどんな時かな。
「心と心」
あなたに会えない夜、
私はベランダに出て夜空を仰ぐ。
冬の空は冷たく澄んでいて、
今にもこぼれ落ちてきそうな星たちが輝く。
あなたもこの空を見ているだろうか。
あなたに想いを馳せると心が温かくなる。
心と心がつながったのかなぁ…。
なんて思いながら温まった心で
あなたの腕の中で眠る夜を心待ちにするのです。