「何でもないフリ」
もっと構ってほしい。
もっとお話ししてほしい。
もっと愛情表現してほしい。
もっと名前を呼んでほしい。
もっと、もっと、もっと、
あなたといない時は色々思うけど、何故かあなたを前にすると何でもないフリをしてしまう。
あなたの前でもっと素直になりたい。
「手を繋いで」
秋の紅葉した山を二人きりで他愛もない話をしながら歩く。
あなたの大きくて角ばって冷えた手が私の手を包む。
あなたは嬉しそうに「やわらかくてあたたかいなぁ。」と言う。
私は「手が冷たいのは心があたたかいからだね。」と言う。
するとあなたは「そうなの?」と少し照れたように笑う。
誰にも邪魔されない二人だけの世界。
手を繋いでこのままずっと一緒に。
「ありがとう、ごめんね」
あなたと私を繋ぐ魔法の言葉。
二人がずっと仲良しでいるための秘訣。
いつまでも素直にいられるように。
「部屋の片隅で」
今日がどんな日だったか考える。
明日はどんな日になるか考える。
今日は辛いことがあった。
明日はうまくいくといいな。
今日はあなたとこの部屋で過ごした。
明日からはまた一人だけどまたあなたに会える日まで頑張れる。
冷たい雨が降り注ぐ日も、暖かな柔らかい陽差しが降り注ぐ日も。
私はこの部屋の片隅で、あなたのことを想うのです。
「逆さま」
もしも世界が逆さまになったら、きっと私は人気者になれる。
勉強が得意でいい大学に行き、お給料の良い会社に就職して仕事もできて容姿も整い、友人がたくさんいるでしょう。
仲の良い両親からたくさんの愛情を注いでもらえたかな。お金持ちのお家で何不自由なく過ごせたかな。
上司に毎日怒鳴られることもなくて心身ともに健康に日々を穏やかに充実して過ごせたことでしょう。
でももし、世界が逆さまになったらこの世界でたった一人の大切なあなたに出会えなかったかもしれない。
あなたがいない逆さまの世界より、あなたがいるこの世界が私は好き。