お題『あの夢のつづきを』
手離してしまったあの夢よ、どうか。
また戻っておいで。
愛おしいあの気配とともに、
私のすぐ指先まで。足元まで。耳元まで。
今すぐでなくていい。いつか、つづきを。
お題『あたたかいね』
きみがいるなら、穏やかに死が気配を漂わせる冬でも、寂しくない。
遠く離れていても、悲しくない。
時間が1ヶ月、6ヶ月、10年、100年経っても
「よう、元気か?」
なんて気さくに話しかけられる。
「ねえ、会いたいな」
と、声をかけることが出来る。
返事が返ってきただけで、ぽかぽかと心があたたまる。
イエスやノーの返事で一喜一憂してしまうけど。
それよりも、きみがこちらを向いてくれるだけで、実は、とっても嬉しい。
ねえ、あたたかいね。
お題『未来への鍵』
その鍵はいつでもあなたの手にある。そして、必ずそれは開けることを強制させられるのだ。
嫌でも、大半の人間は、それを開けなければならない。その先、どのような景色が広がるかは確定することができない。
今日や昨日、一昨日が似通っていたとしても、明日が同じかどうかは確実では無いのだから。
ある日、鍵を渡されない日が絶対にくる。あなたが開けたくても、それを開けられない日が来るかもしれない。
逆に、自ら手放す時もあるだろう。それが悪い事だと私は思わない。それも、あなたを形作る、意味ある行動だ。あなたがそれを開けたら、他のものや何かに変わってしまいそうなら、開けなくとも良い。
あなたがあなたらしく選択をできるように、その鍵はあるのだ。
お題『星のかけら』
てのひらに星のかけらが落ちてきたらどうする?
願い事でもしてみようか?小瓶に詰めてみようか?掌で転がして、眺めてみようか。壊してみたらどうなるかな。磨いてみる?
お題『Ring Ring…』
その音が聞こえると、背筋がピンと伸びる。
その音を早くとめたくて、ぱっと携帯をとる。
でも、少し声がうわずる。相手に失礼のないような言葉選びを。電話に焦ってないよ、という見栄も少しつける。
言葉と声色だけで、気持ちがいくら伝わるだろうか、とどきどきしながら、最初の声を発した。