ツユクサ

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12/3/2024, 10:58:33 AM

お題『さよならは言わないで』

さよなら、と言うと、何だか今生の別れのようで苦手だ。これで会うのは最後でも良いと言われている気がする。

だから、私はさよならと言わないことにしている。
たくさん大きく手を振って、また今度、お疲れ様と言う。
次もあなたに会いたい。

12/2/2024, 10:05:12 AM

お題『光と闇の狭間で』

ゆらゆらと揺蕩っていた。

どっちつかずで、ぼんやりしたところで。自我もはっきりしなくて、ただ、のうのうとそこにいた。
人みたいだ。

いい人の時もあれば、悪い人の時もある。常に、絶対にどちらであるということなんて有り得ない。ある側面では光で、ある側面では闇だ。
今まで周りの環境からすればたまたま光だっただけで、本当はそれは、深い深い闇、かもしれない。

12/1/2024, 2:03:35 PM

お題『距離』

それは大切なものだ。

近いからいいものでは無い。時折、離れることも大切だ。

近付いたり、離れたりして、お互いの全容を識っていく。

識ることは、知られることは、怖いことかもしれない。
知らなかったところが浮き彫りになるだけでなく、それが自分や、相手の感じ方で、認識が変わるのだから。

前と全く違う目で見られるかもしれない。もしかしたら、もう口も聞いてくれないかもしれない。

そう思ったら、正直、怖い。

11/30/2024, 2:27:12 PM

お題「泣かないで」

指でその宝石を掬った。

誰かに酷いことを言われたの。悲しいことがあったの。それとも、嬉しくて?ただ、何となく?
理由はなんだっていいか。

自分の感情に素直になれるえらいきみに、花束をあげる。
沢山の色と、沢山の大きさ。沢山の違う香り。
好きな花はあった?
泣かないで、なんて無責任に言えないけど、素敵な明日になるといいね。

11/29/2024, 2:29:29 PM

お題『冬の始まり』

目の前を、白いふわふわした綿毛が飛ぶ。

あ、ゆき、と言いかけて、やめた。雪ではなくて、それは雪虫だったからだ。
最近、夜はぞわわ、と肌に鳥肌が立つ。
先に部屋を温めておかないと、布団が冷たい。いやだ。しかも、朝起きた時にタイマーで暖房が止まっていると、鼻先がひんやりしている。つらい。全てのやる気を削がれる。
指先もすぐに冷たくなる。

しかし良い事もあって、猫が我が物顔で傍に来るという点では、まあ許してやっても良いかなと思う。
それに、冷たい空気を纏った星空が綺麗だ。四季折々の星空は好きだが、冬ほど綺麗に見られる時期を知らない。ぱちぱち、弾けるような瞬きをする。
加えて、温かいものが美味しい。冷えた手を暖めるために、お気に入りのカップに注いだミルクティーは、蜂蜜が溶け込んでいて、幸福をくれる。
庭に咲いている椿の花に、雪が積もるところも好きだ。何だかいい。何がいいのかは分からないが、何故か好きだ。
あと、塀の縁にもっちりした雪が見えた時も、嬉しくなる。なんだかあれはカワイイ。

これからが楽しみになってきた。はやくこないかな、なんて、ひとりでにやにやした。

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