ツユクサ

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お題『冬の始まり』

目の前を、白いふわふわした綿毛が飛ぶ。

あ、ゆき、と言いかけて、やめた。雪ではなくて、それは雪虫だったからだ。
最近、夜はぞわわ、と肌に鳥肌が立つ。
先に部屋を温めておかないと、布団が冷たい。いやだ。しかも、朝起きた時にタイマーで暖房が止まっていると、鼻先がひんやりしている。つらい。全てのやる気を削がれる。
指先もすぐに冷たくなる。

しかし良い事もあって、猫が我が物顔で傍に来るという点では、まあ許してやっても良いかなと思う。
それに、冷たい空気を纏った星空が綺麗だ。四季折々の星空は好きだが、冬ほど綺麗に見られる時期を知らない。ぱちぱち、弾けるような瞬きをする。
加えて、温かいものが美味しい。冷えた手を暖めるために、お気に入りのカップに注いだミルクティーは、蜂蜜が溶け込んでいて、幸福をくれる。
庭に咲いている椿の花に、雪が積もるところも好きだ。何だかいい。何がいいのかは分からないが、何故か好きだ。
あと、塀の縁にもっちりした雪が見えた時も、嬉しくなる。なんだかあれはカワイイ。

これからが楽しみになってきた。はやくこないかな、なんて、ひとりでにやにやした。

11/29/2024, 2:29:29 PM