些細なことでも
さっきの店員さんの対応にモヤッとする
靴と靴下の色が合わない気がする
家人の足音をいつもより強く感じる
筋とは無関係のドラマの一場面が残る
なぜだか鼓動が早い気がする
などなど
気がつけば
自分の中に地層のように堆積している
ものたち
些細だからと無視せずに、
書き出すとまではしなくても
それらの些細さんたちを前にして
お医者にでもなったつもりで
「今日はどうしました?」
なんて向き合ってみる
もちろん返事なんてない。
些細さんたち一つ一つはとても小さいので。
でもみんな
ただ目の前にしただけで
気が済んだみたいに消えていく
安心したように上がってく
音も立てずに
こんなことなら
お茶でも出せばよかったな
ありがとね
adieu
今日あったことを思い返す。
運転、面白い形の木、頭痛、
書店、パン屋、セルフレジ、
フードコート、その横で抽選会、
顎ひげのおじいさんと会話してる、
バス乗り場から降りてくる若い二人、
アニメのぬいぐるみ2個ずつ、
再び運転、夕陽をじっと見る、
帰宅、灯りを点けた。
パラパラマンガみたい。
パラパラパラパラ。
その合間に光がチラチラ見えた
パラパラの間に挟まってる光
自分で灯した明かり
自然と明るい方へ進む
光の方へ
自灯明。
不完全燃焼。
未だに。
とりあえず。
青臭く。
生半可な。
追求し続ける。
いつかきっと。
「不完全な僕」に続く、或いは似たようなニュアンスの言葉を並べてみる。
やっぱり甘くて苦くて、 懐かしくて空しい、とんでもなく魅惑的な香りがする。
もうずい分楽しませてもらいました。
お腹いっぱい、満足です。本当に。
完全に思い出したね。
幼い頃のこと。
言葉を覚える前のそのまた前の、
細胞が分裂するよりも遥か遠く遠く
まん丸だった頃の思い出を、
不完全の真反対のあの感じ。
香水
夜にだけ行われる祭り。夜祭。
暗闇の中、黒い着物を着た女性たち。
黒い団扇を手に輪になって踊っている。
誰も一言も発しない。
静かに聞こえてくる、乾いた下駄の音。
カタカタ。
一緒に見に行った友人がいた。背が高かったと思う。
参道に吊るされた提灯。文字が書いてあるのは分かるが、ぼやけて読めない。
友人の顔を見ようと目を凝らして見上げる。
だがろうそくの灯りでは、彼の顔はどうしても見えない。
体の周りに充満する、たくさんの人と、人以外の気配。
目も鼻も口も体全部を、大きな影が覆いかぶさってくるようだ。
それらに圧され、思わず彼のコートに触れた時、ぱっと漂ってきた香り。
その記憶。
祭りの。
夜の。
言葉はいらない…ただ
見たいものと、今見てるもの
行きたい場所と、行ってる道
聞きたい声と、聞こえてくる声
触れたいものと、その手触り
伝えたいことと、伝えてること
なりたい姿と、この姿
どれもバッチリ重なって、
いっつも気分良くしていたい