題 愛と平和
私は平和を愛してる。
だから言い争いとかケンカが嫌いだ。
でも、彼氏は喧嘩好き。
直ぐに人に突っかかっていく。
どうしてそんなカッカするの?
と聞いても、そんなの知らない、と言う。
私は疲れる。
平和がいいから喧嘩をやめてよと言う。
彼氏は好きだけど、暴力で解決してもいいことは何もないと思うから。
そうすると彼氏は怒る。
俺のやることに文句つけるな、と。
そうして私はイライラして言い返す。
私の事も考えてよって。
だんだんヒートアップしていく言い争い。
平和ってなんだっけ?
私は平和がいいのに、何だかいつも平和じゃない
その事に悲しみを覚えるけど彼氏のことを愛してる。
解決したいのに出来ないから。
私は今日も彼氏のことを止めてしまう。
平和な時間を夢見ながら。
題 過ぎ去った日々
時はあっという間に過ぎ去っていく。
彼に告白されて付き合って
沢山楽しく過ごしてた
それでも別れの時がやってくる。
どうしてだろう。あんなに楽しかったはずなのに
今は側にいるのが居心地悪くて。
話すだけでお互いをお互いがトゲで刺す。
出会った頃のように時間を忘れるくらい
楽しい会話なんてどこにもない、
だから私達は別れを選択するしかなかった。
一緒にいても幸せじゃないと感じたから。
もしどこかの選択肢が違っていれば
私の彼への想いがもっと強ければ
私達はまだ笑顔で過ごせていただろうか。
こんな風に一緒にいることすら嫌な関係には
ならなかったんだろうか。
彼にそんな問いかけを出来ないくらい
険悪な空気にため息をつく。
さよなら、と別れの言葉を告げて
決してやり直しの出来ない関係は
簡単に壊れてしまったんだ
振り返る事もなくあの日の幸せな片鱗は崩れ落ちて
私達はそれぞれ、いつもの日常に戻っていくんだ
題 お金より大事なもの
大事なの、あなたのことが。
だから、絶対に誰にも譲らない
私は豊を見てそう考えていた。
頑張って頑張って付き合ってもらえた彼氏。
だからこそ、誰が奪いに来たとしても死守するよ。
「どうしたの?」
甘やかな優しい声で言う豊。
黒髪はつややか、甘い端正な顔つき、スラリとしたスタイル。
私と付き合ってもらえたなんて未だに信じられなくて。
私だって頑張って自分を磨いて、磨いて沢山頑張ったけど。
それでも、あなたに手が届くとは思ってなかった。
「ううん、豊っていつ見ても素敵だなって」
私はニコッと笑ってそう言う。
「ありがとう。君もきれいだよ」
豊は私に美しい顔で囁くように言う。
それだけで、私は天にも昇る心地だ。
「豊、私あなたのこと一億で諦めてって言っても諦めないよ。100億でも、100兆でも諦めない」
「君にそう言われると嬉しいな」
豊は、私の手に自分の手を重ねた。
「僕も、君のこと、何億積まれても諦めたりしないよ」
「あ・・・うん・・・」
いざ、自分が言われると、破壊力が凄い。
豊の美しい顔を見ながら、私はくらくらとめまいを覚える。
「君と付き合えて、僕は幸運だよ」
「豊っ、もうそれ以上言わないでっ」
私は言葉の破壊力にダメージを受けて懇願する。
「私が豊の言葉に弱いの知ってるでしょ・・・」
上目遣いで豊を見ると、彼はフフッと笑って微かに首を傾げた。
「知ってるけど、君の反応見るのが好きだから」
私の顔が一気に真っ赤になる。
ちょっと意地悪な所も大好きだ。
負けっぱなしだなぁ。
恋愛に勝ち負けはないかもだけど、豊には一生勝てる気がしないと思ってしまった。
ニコニコと笑いかける豊を見ていると自然と私も笑みがこぼれる。
負けてもいいや。
そう思って、顔を上げると私は彼の大好きな顔を心ゆくまで鑑賞したのだった。
題 月夜
月が見える
綺麗な淡い光
スウッと光が優しく伸びて世界を少しだけぼんやりと照らす
歩いている私は月を見て癒やされる
月には癒やし成分が入っているのかな
疲れている時には月の光を見ると無性に泣きたくなる
ただそこにいてくれるだけで
私を慰めてくれる
ただそこから光を投げかけてくれるだけで
私は立ち止まって永遠にその優しい光を浴びていたくなる
何もかも洗ってくれるようで
心が少しだけ綺麗になったような気がするから
ぼんやりとしたクリーム色の光に包まれて
今夜も私は目尻に涙を浮かべて月をただ見上げている
題 絆
ずっとあなたと一緒だった
だからこれからも一緒だと思ってたのに
「俺、彼女出来たんだ」
笑顔で言うあなた。幼馴染としてそばにいた私の気持ちには気づかず、あなたは他の子を選んだんだね。
「そっ・・・か。そーなんだ。先越されたなぁ〜」
私は精一杯笑顔を作る。引きつった笑顔なんだろうなぁ・・・。
「大丈夫、奈美もすぐ出来るよ」
考えてもいないんでしょ。私があなたを好きだったこと。
これまでの絆ってなんだったんだろう。
沢山過ごしてきても、恋人が出来たら一番大事なのはその子になってしまう。
「私は・・・当分いいよ、でも、裕貴とも遊べなくなるね、彼女が出来たら」
私は思わず当てつけがましいことを言ってしまう。
「え?何で?」
裕貴の返答に私は当惑した。
「え?逆に彼女が嫌でしょ、他の女の子と遊ぶとか」
私は当然の返答をした。私だって、私の彼氏が他の女の子と遊ぶなんて嫌だ。
「ええ〜そうかな〜?そういう事言う彼女なら俺、別れるよ」
「は?」
私は思わず聞き返す。そんな簡単に別れられるくらいな気持ちなの?
「あのさ、念の為に聞くけど、どういう経緯で付き合ったの?」
「え?告白されて、俺は別に好きじゃないけどって言ったらお試しでいいから付き合ってって・・・」
最低だ・・・。
「ちょっと、好きでもないに付き合うの?おかしくない?」
「いや〜、俺も断ったんだけど、押されに押されてさ。でもなー。奈美と遊べなくなるのは嫌だな。やっぱ明日断るわ。女子ではお前と遊ぶのが一番楽しいし、今んとこ彼女とかいらないや」
「あ、そ、そう・・・」
私はさり気なく言ったけど、内心はドキドキと嬉しさが止まらなかった。
この分じゃ、恋愛感情とかまだ無縁なんだろう。
それでも、もう他の子に取られるのは嫌だった。
だから・・・
「覚悟してよね」
私が裕貴にそう言うと、裕貴は、え?と首を傾げる。
「なんでもな〜い」
そう言いながら明日から裕貴にアプローチ頑張る、と決意したのだった。