雪桜(引き継ぎ)

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9/26/2025, 8:18:24 AM

「パラレルワールド」



街のシンボルの鉄塔が遠く見える

尖った先に夕陽が刺さって滲んでいる

先っぽはあんな風になってるんだと改めて気付く

寝過ごして降りた駅は

まるで異世界に迷い込んだみたいだった

たった1駅のことなのに

真っ直ぐ伸びる線路

空を泳いでる赤とんぼ

高校生たちの笑い声

いつもの風景も見慣れない景色に思えて

なんだか気持ちが落ち着かない

どれぐらいで次の電車がくるんだろうか

何度も時計を確認しては

逆方向の線路を眺めてみる

踏切の音が遠くから聞こえて

ホームからアナウンスが流れる

重々しい音を鳴らしてゆっくりと電車が迫ってくる

やっと帰れるとホッとして乗り込んでドアが閉まる

車窓から見える景色を確認して見ながら

ほんとにこれで帰れるのか不安がよぎる

手のひらがじんわりとしてくるのがわかる

しかしなんてことはなく電車はいつもの駅に着く

少し足早に改札を抜けて振り返る

夕陽は遠くに傾いて鉄塔の隣にあった

流行りのマンガみたいに生まれ変わってもないし

なんの能力も身につかないままだけど

帰還した達成感に胸に自転車を漕いでいく






9/25/2025, 8:31:24 AM

「報われないシンデレラ」



まるで時計の長針みたいに

僕はあなたとの数時間のために

走り回って会いにいく

だけどあなたは誰のものでもない

会いにくるみんなを癒して

次へ次へとさよならしていく人

きみにとって僕はたくさんの中の1人

そんなことはわかってる

だけどきみは僕とってただ1人の人

それに気づいた日からずっと

会うことが楽しみから苦しみに変わっていった

ほんとはいつも側にいて欲しい

ほんとは僕のものになってほしい

言いかけるけど虚しいからやめる

いくら時を重ねても

時間の無駄だとわかっていても

きみの喜ぶ顔が見れるなら

やっぱり僕はきみに会いにいく

わかっていても会いにいく

9/24/2025, 9:02:21 AM

「一緒にいること」



「またね」で別れて

「おはよ」で会って

右手と左手で手を繋いで今日も始まる

横断歩道を急ぐときは僕が

エスカレーター乗るときは君が

お店に入るときは僕が

席に座るときはきみが

メニューを選ぶときは僕が

料理をシェアするときは君が

疲れたときは僕が

歩き始めるときは君が

ハグするときは僕が

キスするときは君が

なにも言わない日々だけど

いつもと同じことかもだけど

一緒にいてくれるそのことが

2人が2人でいることの意味

9/23/2025, 4:49:16 AM

「くもり空」


それは太陽が閉めたカーテン

太陽だって1人になりたい時もある

9/22/2025, 7:17:57 AM

「虹の架け橋」



急な雨降りに街中からため息が聞こえる

雨雲は悪くないのに少しだけ傷ついてる

虹は傷ついた雨雲を慰めるために

太陽からのちょっとしたプレゼント

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