お題『空白』
会えなかった数日分の空白を埋めるように抱きしめ合う二人。
「七海サン、俺がいなくて寂しかった?」
「……少しだけ」
顔を伏せて恥ずかしそうにぽつりと漏れた声。猪野はそっとキスを落としていく。
まぶた、頬、唇、首筋。
「かわいい。たっぷり穴埋めさせてくださいね♡」
そう耳元で囁かれ、俯いたままの七海は耳まで赤く染まった。
お題『ひとりきり』
誰にも言えない夜を、何度も越えてきた。ずっとひとりきりだった。でも今、この手の中に確かに誰かがいる。若くて、まっすぐで、愚かで、真剣な——猪野琢真という存在が。
「七海サンが『ひとりきり』でいることを、俺が許さない」
彼はそう言った。
そんな言い方、ずるいな。七海はそう思った。
しかし、それを否定できなかった。
明日も知れぬ身。それでも、彼といれば救いがあると信じた。
ひとりじゃない。
そう思えた。ただそれだけで——生きていける気がした。
お題『フィルター』
なんでもこなせてクールで完璧な七海サン。それゆえに近寄りがたさを纏わせている。
例えば任務中、仲間が倒れても、非術師が巻き込まれても、冷静沈着に対処をする。
でも感情がないわけじゃない。七海サンは“冷たい”んじゃない。“感情を見せない”だけだ。
まるで、厚く磨かれたガラス越しに見る水槽みたいに、綺麗だけど、触れられない。
そんな七海サンが俺の前ではそのフィルターを外してくれるのが嬉しい。俺だけに見せてくれる素顔。七海サンが誰よりもあたたかいことを俺は知っている。
お題:元気かな
(七海サン、向こうでも元気かなー)
ふとした瞬間に七海サンのことを考える。考えてしまう。向こうでも、って何だよって感じだけど、どこにいたって七海サンには元気で健やかでいて欲しいんだ。
お題:願いが1つ叶うならば
もしも願いが1つ叶うならば、俺は何を願うだろうか?