ねここ

Open App
2/10/2025, 11:38:17 AM


【星に願って】

まだ陽も昇っていない暗い時間帯に君は出ていく。
「お仕事、行ってくるね」と言いながら僕の頭を撫でていく。
彼女が家を出てからしばらくして、ようやく太陽が顔を覗かせた。
陽が差し込む窓辺でゴロンと寝転んでお昼寝タイム。
敵はいないし、決まった時間にご飯も出てくるけれど、君がいない。君の匂いが残るベッドにダイブして、枕をぎゅっぎゅと踏みしめた。
また暗くなって、空にはチカチカと星が見え始めた頃に君は帰ってくる。
「ただいま。いい子にしてた?」
「にゃあ」
いい子にしてたよ。
ちょっとだけ寂しくなって君のお気に入りの枕に爪を立ててしまったけれど。
また明日もちゃんと帰ってきて。
僕の頭を撫でて。

そう星に願って。

2/9/2025, 10:42:15 AM

【君の背中】

時には丸く、時には反って、天敵と遭遇した時にはぶわりと毛を逆立てるグレーの毛色が可愛い君の背中。背骨に沿って指の腹で撫でてあげると、「もっと」と言わんばかりに縞々の尻尾をピンと立てる。
寒い日にだけ、こっそりベッドに潜り込んではゴロゴロとご機嫌な様子で喉を鳴らして、そのまぁるい背中を私の腹に押しつけてくる。
この温もりは、きっと何年たっても忘れない。