【星に願って】
まだ陽も昇っていない暗い時間帯に君は出ていく。
「お仕事、行ってくるね」と言いながら僕の頭を撫でていく。
彼女が家を出てからしばらくして、ようやく太陽が顔を覗かせた。
陽が差し込む窓辺でゴロンと寝転んでお昼寝タイム。
敵はいないし、決まった時間にご飯も出てくるけれど、君がいない。君の匂いが残るベッドにダイブして、枕をぎゅっぎゅと踏みしめた。
また暗くなって、空にはチカチカと星が見え始めた頃に君は帰ってくる。
「ただいま。いい子にしてた?」
「にゃあ」
いい子にしてたよ。
ちょっとだけ寂しくなって君のお気に入りの枕に爪を立ててしまったけれど。
また明日もちゃんと帰ってきて。
僕の頭を撫でて。
そう星に願って。
2/10/2025, 11:38:17 AM