ことり、

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6/20/2024, 1:34:02 PM

あなたがいたから


あなたがいたから…

校庭の隅の大木を見上げた。
楠(くすのき)。
居場所のない「そこ」から逃れる時、
大抵はここに来た。
春には白い花で出迎えてくれ、
秋には実をつけ、
ツンとした匂いで私を包む。
木の真裏に隠れ、体育座り、
膝に顔を伏せた。

自分と対話した。
寂しいね。
ー寂しいよね。
悔しい。
ー悔しいよね。
自信なんて無いよ。
ー大丈夫、私もだよ。

いつしか、
楠と対話してるような気がしていた。
友達だった。

卒業し、同じ校区の学校に進み、
久々に母校を通りかかった時。
楠に張り紙が貼られていた。

どきり、と嫌な予感がした。

「長い年月をかけて生長した樹木が大木化・老木化した結果…」

要は、切る、ということだ。

わたしには、反対運動も、署名も、
やる気力も体力もない。
ただ、幹に手を置いて、感謝を伝えた。
それしかできなかった。

それ以来、母校には行ってない。
多分楠は切られたんだろう。
見に行けない。
ただ、心の中に、楠はいる。
いつまでもいる。
















季語 夏木 なつき 夏の季語

6/18/2024, 1:27:37 PM

落下


堕ちてゆく
堕ちてゆく

海の底へ?
天界から下界へ?

そうして
堕ちた先に
微笑む貴方がいるといい
私を
受け止めてくれると信じて
今日も
真っ直ぐに
堕ちてゆく

煌めく人魚の鰭(ひれ)も
純白の羽根も毟(むし)り取って

ただ貴方の元へ


6/18/2024, 8:59:14 AM

未来


未来とは、予定のない真っ白なノート。
何を書き込むかはあなた次第。
いま、ここから四方へも八方へも
あなたは行ける。

そんなイメージが最初に浮かんだ。
だが、未来とは、
すでに予定が書き込まれているページを、
破り捨て払いのけ、自分はこうだと
書き直すものなのかもしれない。

長い髪をふわふわに巻いて、
レースにフリルにリボン。

いやいや、ほんとの私は
ショートカットのパンツスタイルに
スニーカーだ!みたいな。

いまこの瞬間も、闘う人たちがいる…。

6/15/2024, 1:12:25 AM

あいまいな空


曇り空でも
雨模様でも
雪が降っていても
その向こうには
太陽が
月が
星が
きっと輝いている。

そう思うと
「答えは自分の中にある」
という言葉の意味が
輝いてくる。

6/12/2024, 7:52:30 AM




今、住んでいる街は、
通り一本挟んで、危ないお土地柄、
というのがよくある。

・何々系の人が多く住んでるから危ない
・〇〇教の建物が多くあるから近寄らない
・再開発のおかげで綺麗になったけど、
昔から住んでいる人はここには行かない
・大通りはまだマシだけど路地には入らない
・夜は出歩かない

などなど。

人が多いので、
毎日のように火事やら殺傷事件やらある。
私の故郷の町で、
殺人事件なんて起ころうものなら、
蜂の巣を突いたような大騒ぎだったのに。

でも今の街はパワーがある。
イベントや催し物が週末ごとにあり、
子供も多い。

光と闇は、紙一重なのだろうか。

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