ことり、

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2/1/2024, 11:27:23 AM

ブランコ

俳句















季語 ふらここ ブランコのこと 
春の季語
恣 は ほしいまま と読む

1/31/2024, 1:26:59 PM

旅路の果てに



そいつ

冷蔵庫の片隅で痛んでる
けたたましい2割引きシールのチリソース瓶
その鬱屈(うっくつ)を
古(いにしえ)の教室 
机に名札のピンで刻ませたら
「そいつ」は確かににやりと笑った

好きでも嫌いでもなかった
お土産のクッキー缶
古ぼけた蓋で
小学生らしい我が儘を押し込めた
(マティス ダリ 太郎 ヘリング)
誰に出す宛ても無い美術展の絵葉書の
静謐(せいひつ)な引き出しに
あの日見た瑠璃色の髪切虫の遺骸(いがい)を忍ばせる

給食袋 割烹着 アイロンがけ
かけっこ2等賞 青リボン
女の子同士守る ブルマ白線
ご飯の日の牛乳 違和感も一飲み

アプリで見るスーパーの2色チラシ
ベランダ プランター 育つ青ネギ
2日目の唐揚げ 酢豚へリメイク

私の中にいる「そいつ」
守っているようで守られて
救っているようで救われて

人生が旅なら、
「そいつ」はきっと 
草臥(くたび)れたブーツなのだろう
書き込みの多い地図なのだろう
調子の悪いランプなのだろう
よく切れるナイフなのだろう


1/31/2024, 1:42:01 AM

あなたに届けたい

俳句

















季語 六花 りっか 雪のこと
冬の季語

1/28/2024, 2:52:52 PM

街へ

意味も忘れた
ことばの宇宙(そら)に忘れた
目を伏せた
かなしげな瞳はセピア

音は鳴らない 風は動かず
空はいつも同じ色で濁る

僕らは解っていた
そのポッケから
はみ出た感情
僕らは知っていた
この手の脆(もろ)さを

明るさの消えた
午後の街角へ
約束をしよう

1/27/2024, 1:30:31 PM

優しさ

やさしい人がいいわ。
みんなそういうの。
でもね、やさしい人はずるいんだよ。
やさしい人はやさしいから、
やさしい人からやさしくされると、
みんなきらいになんかなれないから。
もしも、やさしい人が
わがままで
つめたくて
サイテーなやつだったとしたら?
きらいになれるのに、別れられるのに
やさしい人はやさしいから、
やさしい人からやさしくされると、
きらいになんかなれないから。
だから
やさしい人はずるいの。
ずるいんだよ。

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